|
カテゴリ:冬瓜堂
セクシャルマイノリティを正しく理解する週間 記念シンポジウム
2010年5月21日(金)明治学院大学白金校舎・3号館3201教室 パネリスト 福島 みずほ(内閣府特命担当大臣/男女共同参画・青少年育成・自殺対策担当) 針間 克己(はりまメンタルクリニック院長/精神科医) 宮田 興(NHK教育テレビ「ハートをつなごう」「ETV特集」プロデューサー) 野宮 亜紀(和光大学非常勤講師) 東田 真樹(コチ株式会社代表取締役社長) コーディネーター 砂川 秀樹(文化人類学者) (司会は石川大我さんだったのかな?) ※ この記録は会場でパネリストの発言を聞きながら打ち込んだメモ的なものであり、録音を書き起こしたものではありません。したがって、発言は必ずしも正確なものではありません。表現の違いや書き漏らしたこともあります。もし重大な誤りや補うべき点があればコメント欄でご指摘いただければ幸いです。 【司会】 福島大臣はクリントン国務長官来日のため車が遅れている。20分ごろに着くというので、講演の順番を入れ替えてイベントを始める。 シンポジウムの趣旨説明、後援の役所、スポンサーの紹介など。 中村哲治法務大臣政務官からのメッセージを読みあげる。 【砂川】 文化人類学の研究者。東京プライド代表者。 きょうはセクシャルマイノリティについて取り組んできたひとを招いたシンポジウム。 登壇者紹介。そのさなかに福島が到着。 【福島】 内閣府と法務省がセクシャルマイノリティに関するイベントの後援に入るのは初めて。きょうは若い来場者が多くて嬉しい。私自身と行政の取り組みについて話す。 1984年、ハーヴェイ・ミルクの映画を観た。ゲイということで殺されたことに衝撃を受けた。議員になって12年だが、あちこちで運動を後援したり、付かず離れずで関わったりしてきた。 私は結婚届を出していないが、子どもがいてパートナーがいる事実婚。20代のころ、結婚届を出すか、結婚届を出さないまま子どもを産むかと迷った。自分が気持ちよく生きるために、壁にぶち当たったり周囲の人の理解を得るのに苦しんだりしたのだった。弁護士としても、ライフスタイルの多様化を後押しするような活動(法廷活動+法律改正を求める運動)をしてきた。 欧州の事実婚制度について。同性愛の人たちの権利として捉える向きもあるが、私はライフスタイルの多様性を認めるという観点から推進したい。性的マイノリティの人たちとも一緒に活動していく。 きょうは分厚いファイルを持ってきた。野党時代、超党派で国会図書館でいろいろな国の制度を勉強した。例えば、同性愛に関する制度のあり方について、事実婚や教育がどのようになっているかなど。そして日本では何ができるか考えた。 日本は同性婚を認めていないが、デンマークで同性婚を認められるために必要な「婚姻証明書」を、他の書類を工夫して代用できるようにしたり、現行制度でできることがないかと取り組んでもきた。 私は自殺対策担当大臣でもある。性的マイノリティの人たちの自殺率が高いというデータがある。どうしたらいいか考えたい。 いま第3次男女共同参画基本計画を作っている最中。そのなかに同性愛と性同一性障がいの人について「困難をかかえる」というところに書き込もうとしている。女性であることによる差別+他の要素による差別という複合差別の問題を解決したい。性的マイノリティの問題をその一つとして盛り込んだもの。 子ども・若者ビジョン(pdf)。子どもの貧困など、困難を抱える若者への支援策を決めていくなかで、性的マイノリティへの視点も入れていく。 自分の担当のなかで、性的マイノリティの問題をどうやったら取り上げられるか、どう社会を変えていくかと思って行動している。性的マイノリティの人たちに「いまの政治は自分たちのためになにかやってくれている」と伝わればと思う。これからも取り組みを広げていきたい。 性暴力に24時間のホットラインができないか、被害者のカウンセリングに費用補助ができないかなど検討している。サポート、支援、改革に取り組みたい。このシンポジウムもきっかけにしていきたい。 【砂川】 ここで性的マイノリティについて簡単に説明。 大きく分けて、1. 性別に関わる問題と、2. 性的嗜好に関わる問題がある。 1について。「性同一性障害」は身体と精神の性別が一致しない。継続的に、幼い頃から、身体の性別と違う方に同一性を感じる。人によっては男、女ときっぱり割り切れない複雑さもある(→トランスジェンダー)。身体的なものとしてインターセクシュアルというのもある。 2. 同性愛。ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル。一人のなかで揺れもあるので単純に言い切れるものでもないが、簡単に整理するとこんな感じ。 【針間】 LGBTの自殺にトピックを絞って説明する 日高庸晴の研究によると、自殺を考えたことがある65.9%、自殺を図ったことがある14%。 2008年4月1日~2009年11月13日の当院受診者、性同一性障害と診断されている人 FTM(身体的に女性だが、精神的には男性):739 MTF(身体的に男性だが、精神的には女性):399 自殺率はMTFの方がやや高い傾向。 自殺企図の具体的方法の聞き取り 自傷行為の具体的方法の聞き取り 刃物で切る、刺す、煙草の火を押し当てる(根性焼き) 性同一性障害ならではの自傷行為として: FTMが胸を切る MTFがペニスを切ったり刺したり輪ゴムで血液とめたり半田ごてあてたり…… 自殺関連事象(自殺を考えたり企図したり)は思春期に多い。 自殺関連事象の心理的社会的要因 性同一性障害ならではのものとして: 身体への違和 転生願望(生まれ変わったら望む性別の身体に) いじめ(先生が先頭に立ってしまうことも「男のくせに」) 孤立感(民族的マイノリティなら家族は仲間。性的マイノリティは家族からも孤立。) 失恋 内在化したトランスフォビア(社会の偏見が内在化「同性愛の自分は気持ち悪い」) 生きている実感の欠落・無価値観(周囲に合わせて自分を偽る) 将来への絶望感 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.23 20:44:22
コメント(0) | コメントを書く
[冬瓜堂] カテゴリの最新記事
|