「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

　今日は、７時過ぎに眼を覚まします。
　昨日は、午前１時過ぎまで起きていましたので、未だ少し眠く感じます。
　朝食に「干しブドウ・マーガリン入りコッペパン」を食べ始めます。
　我が部屋猫〈かふん〉が「杉の花粉」の前にチョコンと座ります。

　「干しブドウ・マーガリン入りコッペパン」を〈かふん〉の前に置きます。
　少し大きすぎたのかマーガリンをペロペロと嘗めて、パンは食べられません。
　少し小さめに千切って前に置きます。
　美味しそうに食べ始めます。
　再び、マーガリンをタップリ付けたパンを前に置きます。
　マーガリンを舐め終わるとパンを見向きもせずに『水』を一所懸命に飲んでいます。

　〈かふん〉にマーガリンは少しクドかったようです。
　何せ「コンニャクの煮付け」を嬉しそうに食べる「ネコ」ですから。

　パソコンを立ち上げ遊んでいると珍しく早い時間に「猫神」が部屋に顔を出します。
　〈かふん〉は外に出たがり、ドアを開けると飛び出して行きます。

　昨夜のドラマで再び大笑いした後、昼食も兼ねて「病院に行く以外では」久しぶりに外出します。
　駐車場の真っ白に染まった車に乗り込みます。
　近頃、バイクの音が五月蝿かったのですが、何処かの『餓鬼』が「消火剤」を降り掛けらようで、自宅から少し離れた処にある駐車場にある『我が家の車』と『他家の車』、２台とも真っ白になっていたのが、１週間前です。

　流石に『他家の車』は直ぐに元の色に戻っていましたが、面倒ですので、そのまま放置しておきました。
　通勤に車を使う弟も「杉の花粉」同様、車には『無頓着』ですから、そのまま洗いもせず通勤していたようです。

　『運転免許のない「猫神」』だけが、車の汚れを気にします。

　前に乗っていた「ローバーミニ（赤）」は新車で購入してから廃車するまでの十年間に「３回ほど」しか洗った覚えがありません。

　現在の「スバル・インプレッサスポーツワゴン（赤）」は４年ほど前に中古で購入しましたが、３回ほどガソリンスタンドで給油した時に、オマケの無料洗車をしただけです。

　『自分で車を洗う』なんて我が家では『狂気の沙汰』です。
　ですが、「猫神」だけは、『我が家の風習』を理解しようとせず、既に『「彼女自身」が我が家の「風習」』になっていますから、「車を洗え！」と事ある毎に『弟』を脅します。

　『対人恐怖』が出て『「猫神」は基本的に外出が出来ない』ことを良いことに車を洗わなくて済む弟は、密かに喜んでいたようです。

　でも、少し雨が降ったらしく、「一部マダラになった真っ白な車」を運転する度胸は「杉の花粉」にはありません。

　そこで、先ず洗車に行くことになりました。
　２年前に何を勘違いしたのか洗車用のプリペイドカードが、そのまま残っています。
　２０キロほどドライブして「プリペイドカード」が使えるガソリンスタンドに向かいます。

　『自動洗車機』での『フルコート（ワックス）コース（５００円）』をお願いします。
　更に４００円を払うと店員が『自動洗車機に車を放り込む』ことから、『タイヤホイールワックス』、『点検』までしてくれると言うのですが、こちらは何故かプリペイドカードが使えません。

　結局、『ガソリンの補充』と、『店員利用料４００円』はクレジットカードで支払い、プリペイドカードは５００円の利用となりました。

　何時になったら、プリペイドカードが使いきれるのでしょう。

　「こんなに明るい色だったっけ？」と「猫神」が思わずコボしたくらい「ピカピカになったスバル・インプレッサスポーツワゴン（赤）」が現れます。

　『洗車』を待つ１０分くらいの間に５回くらい「お腹が空いた」と「猫神」は繰り返していましたので、早速、『近頃は少し元気がある「元気寿司（回転寿司）」』に向かいます。
　二人とも１０皿ずつ食べて満足しました。
「猫神」は「くるしい～」と呻いていましたが。

　「くるしい～」を繰り返す「猫神」を助手席に放って置いて「猫神」のメガネの修理に向かいます。
　既に時計は４時を廻っていますので、閉店が早い処を優先しなければなりません。
　メガネの修理は１０分ほどで終わります。勿論「無料」でした。

　次に「猫神」が「『１ヵ月半『出張』する弟のために買いたいものがある』と、何故か『リサイクルショップ』を目指します。

　「前に来たときに眼を付けていた『バスタオルと石鹸セット』がない！」と一所懸命に探しています。
　『前に来た時』から既に２年が経過していますので、残っていれば奇跡です。
　でも、それを、『喉元で押し殺して』、「猫神」と一緒に探す振りをします。

　勿論、同じではありませんが、そこそこ気に入った『バスタオルと身体洗用スポンジセット』を見つけたようで、それを購入します。

　次に同じ敷地内にある『大型スーパーマーケット』に向かいます。
　弟の『アンダーシャツ（２枚組：９８０円）』２つと「杉の花粉」の『アンダーシャツ（２枚組：５００円）』２つを購入します。

　この時点で「杉の花粉」は『記憶が何処かに飛んで行きそうな状態』です。

　『外出嫌い』で『買い物好き』という『二律背反』が、奇跡的に融合した「猫神」は更に店内をウロツキます。

　『「猫神」はヤッパリ「ネコ」だったんだ～』と薄れ行く意識の中で朦朧としながら考えていました。

　『孫に手を引かれるお年寄り』そのままの図で、店内を引き摺り廻されます。

　店内の『リサイクルショップ』で「猫神」が気に入った『冬用コート（１００円）』と『小母さん用普段着（１００円）』を購入します。

　「猫神」は無邪気に喜んでいます。
　非常に安くつく「ネコ」です。

　時計は７時を廻りました。
　漸く今日の目的は達しましたので、ヤット『帰宅』かとホットしていると、「○○クン（「杉の花粉」の名前：クン付け）疲れてる？」と「猫神」聞きます。

　『見りゃ判るだろう！』
と心の中で叫びますが、久しぶりの買い物で少し興奮している「猫神」には伝わりません。

　『ゲームセンター』に行くことになりました。

　意識レベルは通常の２割を切っています。
　コインゲームで勝てる筈がありません。

　時計が１１時を廻る頃には、「ココは何処、私は誰」の一歩手前の状態です。
　「ここは、別のお客様が使っていた席で、タバコを置いて席を確保していたのに、コインを購入している間に席を取られたと話しております」と店員が申し訳なさそうに話し始めます。

　もうコインも３０枚を切っています。
　店員が去って暫らくしてから、席を移ろうとしてハッと気がつきます。

　『タバコの空箱』が『コインを入れる空のカップ』に放り込んでありますが、これでは席を確保しているなんて言われる筋合いはありません。
　それに、『席を確保』してウロツキマワル客が多い時に、それを注意した店員です。

　意識レベルが、通常の１割を切り込みました。

　店員を探し「『空のタバコの箱』と『空のカップ』しか置かれていないのは、席を見れば判るだろう。席を取ったと言われる筋合いはない。そんなに席に拘っているならズッと座ってろってソイツに伝えろ！」と怒鳴ってしまいます。

　その当人らしき『小父さん』が近づいてきて「今のゲームが終わるまで待っているから」と恩着せがましく言い始めます。

　「『タバコの空箱』程度で席を取られたなんて言われる筋合いはない。そんなに、この席が大事ならズッと座っているのがルールだろ。」と怒鳴りつけます。
　慌てて店員が飛んできて「私はお客様に言われたことを、そのままお伝えしただけです。」と言い訳します。
　立場が悪くなったにも関らず『小父さん』は、「いや。この席はズッとオレが使っていたけど、終わるまで待ってやるから」と繰り返します。

　意識レベルが吹っ飛びました。

　「五月蝿い！トットとあっちへ行け！」と怒鳴ってしまいます。

　「今日は、５００枚以上このゲーム機に放り込んだんだ。」と言い残しながら『小父さん』がトボトボと離れていきました。

　『やってしまった！』後悔が突然襲い掛かります。

　取り敢えずゲームを終了し、『奥さん』らしい人の隣に非難していた『小父さん』を見つけ「ゲームは終わったから、席は譲る。今度からは、ライターくらい置いておいた方が良いよ」と話します。
　「いや。もうオレはいい。それに以前、５千円のライターを置いておいたら取られたんで、タバコにしたんだ。」とのことです。
　「でも空き箱じゃ説得力がないよ。小父さん。もうコインも無くなったんで、席にもどりなよ。」と伝えます。
　「いや。もう本当にいいんだ。もういいんだ」と『奥さん』らしき人から離れようとしません。

　仕方ないので、全てを見ていた「猫神」の隣にコソット座ります。
　「猫神」はジッと前のゲーム版を見ています。

　「貴方が怒鳴ると、言い様もない位、私は恐ろしくなる。だから『怒鳴らないで』」と何時も言われています。

　「猫神」もコインがなくなったようです。
　二人一緒に帰ります。

　すると驚いたことに「私が好きなゲームが『あの席』の近くにあるから良く判るけど、あの『小父さん』は、何時もウロウロしていて、誰か席に座ると店員に文句を言って退かせている常習犯。」
　「一度怒鳴りつけてやろうと思う位、腹が立っていたが、『自分の関係ない事』に口出しするのも気が引けるし。もう少し長引けば、私が加勢にいったのに！」と残念そうに言
い始めます。

　「猫神」が『加勢』すれば、『どんな良好な関係も瞬時にして壊滅してしまう』ことでしょう。
　あの『小父さん』は、まだ運が良かったのかも知れません。

　二人で車に乗り込み自宅を目指します。
　到着して、母屋の食卓で二人ともグッタリします。

　「猫神」は２メートルも離れていないベッドに向かうのも大変そうです。
　午前０時を廻っていますが、「送別会」に行っている弟は未だ帰ってきていません。

　取り敢えず「猫神」がベッドに移るのを確認してから、玄関に鍵をして部屋に戻ります。

　何処からか〈かふん〉も戻ってきて二人一緒にベッドに倒れこみました。