「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

どん底・・・さばいばる？

　職場に通っている頃は、ズッと待ち続けてたゴールデン・ウィークだが。
　『うつ』で休職中の今は・・・

　先ず・・・
　５月３日から３日間。
　私の乏しい預金が眠る地方銀行は、コンビニも含め一切の『現金支払機』が利用できない。
　私の預金どころか銀行自身が眠ってしまったのである。

　事前に通知があったので、一応１万円位の現金は用意していた。
　それが、新聞代金やクリーニング代（３月分）の回収・・・
　５月２日の夜には、
　「財布には２千円の現金しかない」
なんて致命的な事態となった。

　そして・・・
　毎日宅配してくれる『お弁当』も休み。
　同じく困窮を極める弟もお金がないらしく・・・
　冷蔵庫の食材は殆ど喰い尽されていた。

　幾ら『ひきこもり』たって・・・
　「誰かがメシの用意をしてくれる」って前提があるから『ひきこもり』は成立する。
　我が家には、そんな奇特な人は居ない。
　だから・・・
　『ひきこもり』自身によるサバイバルとなる。

　クレジット・カードが使えるスーパー・マーケットは、原動機付自転車で１０分以上かかる。
　近所の３軒のスーパー・マーケットは『何時もニコニコ現金払い』。

　だから・・・
　望みは『宅配可能なスーパー・マーケット』。
　でも・・・
　Ｇ・Ｗ期間中って何故か非常に高い。

　毎月何とか生活できるレベルの給料。
　休職中の今、５万円の減となっている。
　１ヵ月後の請求書が・・・
　払えないかも知れない。

　「今の『喰い物』を取るか、１ヵ月後の高い請求書を取るか。」
　・・・『ハムレット』の気持ちが判るような気がした。
　でも、
　アッチは所詮「父親を毒殺した叔父を殺すか如何か」なんて些細な問題である。
　コッチはテメエの生活が掛かってる。
　『同じ』なんかでは決してない。
　・・・のか？

　『宅配可能なスーパー・マーケット』は前日からネットで発注できる。
　でも・・・
　「ヒョットしたら明日は、カードが使えるスーパー・マーケットの『夕方半額セール』で弁当が調達できるんじゃないか？」
　なんて考えて朝５時過ぎにベッドに入る。

　眼が覚めるとお昼の１２時過ぎ。
　『宅配可能なスーパー・マーケット』の当日発注は午前１１時まで。
　でも・・・
　外出なんて出来ないっ！

　残っていた『袋入り即席ラーメン』を喰う。
　卵だけ入れて・・・

　明日こそ！
　昇ったお日様を遮るようにカーテンを閉め、ベッドに入る。
　・・・
　残っていた『即席ライス』を喰う。
　卵と一緒に炒めて・・・

　少しヤツレタ弟を見て・・・
　泣く泣く『高い弁当』を２つ『宅配可能なスーパー・マーケット』に発注する。
　午後４時過ぎに『弁当』が届くと・・・
　弟に満面の笑みが広がった。

　こうして・・・
　『うつ』病患者には悪夢のような３日間が過ぎていった。

　そして・・・
　「やっと金をおろして腹一杯メシが喰える」日曜日。

　朝から土砂降りの雨。
　・・・ずっと夜まで降り続いた。