締まりのあるリズム感に緩いヴォーカルが漂う、ハワイアンフリーソウルと言われれば納得してしまいそうな風通しのよさ。ニュージャージーのヴィブラフォン奏者がカクテル風ソウルの珍しい作品を残しています。"What A Lovely Way To Spend A Lifetime"のタイトなヴォーカルや、"Samba de"はインストですがラテンの血が騒ぐ狂喜乱舞といったアレンジ。全体にいまひとつパンチがないのはヴォーカルの緩さからもうかがえます。
ATLANTIC(1968)
VIBES:Harvey Averne
★★★
The Harvey Averne Dozen
Viva Soul
モータウン風女声コーラスを従えた、埃っぽいアレンジが続くソウル作品。フリーソウルでも取り上げられた一作ですが、ソウル諸作にヴィブラフォンがいまいち根付かないのは、その打音だけで華やかに浮足立つからでしょうか。それでも、"Think It Over"や"Wishing And Hoping"なんかはハーヴェイアヴァーンのハスキーなバリトンと、華やぐ女声コーラスがダイナミックに噛み合う、素晴らしい一枚ですね。