えー、ズノーについて色々と調べたことをまとめた健忘録。
マウントは、ライカLマウント、ニコンSマウント、コンタックスマウントを作っていた。
鏡胴のタイプは、3種類。
初期はラッパ状でくびれがあり、中央のフォーカスレバー直前に絞り輪がある。そのためフォーカスレバーを動かすと絞り値も動くことがあり、不便であった。Fナンバーは1.1、1.3、1.5、2、2.8、3.5、4、5.6、8、11、16の順。
中期は、レンズ構成に添ったようなタイプ。絞り輪が中央から前へ移動して、使いやすくなった。Fナンバーは1.1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16の順。
後期は、レンズ先端が黒になった。形状は中期までのくびれタイプではなく、一般的な寸胴型に変更。
銘板は、3種類。
Teikoku Kougaku ZUNOW 1:1.1 f=5cm Japan
Zunow Opt. ZUNOW 1:1.1 f=5cm Japan
Zunow Opt. S-ZUNOW 1:1.1 f=5cm Japan
ただし、形状の変遷と銘板の変遷は合致しておらず、入り乱れている。
レンズ設計は、3種類か?
ピンポン玉と呼ばれる5群9枚。
フジノン50ミリF1.2に対抗するべく、新種ガラスを取り入れて、後玉をフラットに設計し直した、5群8枚。
倒産直前に再度改良を行ったらしいが、市場に出たかどうか不明。
シリアルナンバーについて。
発表段階で1500番台らしいが、市販は3500番台からと言われている。試作品段階的な2500番台も市場にはあるようだ。
マウント別に振分けていたらしく、全く順番に振られたわけではなさそうだ。
5群8枚になったのは5400番台あたりから。
5500番台あたりから、銘板が「Zunow Opt.」に変更。
6400番台あたりまで製造された模様。6500番台は確認されていない。
世界初で最高の明るさのF1.1であったが、開放描写はフレアが多く、時のカメラ雑誌などでも「褒められたものではない」とバッサリ。
新種レンズを採用後は、「初期に比べると著しい性能の向上である」と設計変更の努力が認められ評価が上がった。
初期のピンポン玉の性能を嫌った人向けに、5群8枚への改造サービスがあったのではないかという話が強く残っている。理由として、先のシリアルナンバーではピンポン玉のはずなのにフラットになっている個体が存在するからだ。
メートル表記とフィート表記がある。
コーティングも時代によって変わっているらしい。
ヘリコイドの回転方向も、右回り、左回りがある。
総生産数は800とも1000とも言われている。どちらにしても少ない。
ここからは僕の憶測。
ズノー全体を通して、硝材が安定していなかったんじゃないかなー。と。
それはズノーを開腹すると、構成図にはないレンズが入っていたりする個体があるから。
すなわち、不安定供給の硝材のため、くみ上げ時に個別対応をしていたのではないかという憶測です。
そのために、ピンポン玉タイプの第一世代の前玉が、凄く出っ張っている、それほどでもない、という個体があったり、フラットタイプの第二世代レンズでも、やっぱりボケボケと結構すっきりクリアなタイプがあるように思えるのです。まぁ、そこまでネットにレンズの写真や作例がたくさんあるわけではないので、結論は導き出せないんですがねぇ。
とにかく謎が多いレンズであることに、間違いはなさそうです。
「横断歩道」
Teikoku Kougaku ZUNOW 5cm F1.1
安原一式
FUJIFILM Velvia 100F
Copyright (C) 2009 GINJI, All Rights Reserved.
手元にある子は、中期鏡胴、第二世代レンズ構成、社名変更前ということ
&
日記が面白かったという人も、web拍手をクリックしてくださいね♪