ライカの呪縛はもうイラン!
えー、本日の話は、「撮影後に写真をどのように利用するのか」ということについても考えなければならないのですが、超個人的な方向で進めます。当ブログへ来ていただいているみなさまにとって以下の事柄は、十分理解済みの話だとは思いますが改めて書きます。現在のフィルムにしてもセンサーにしても、主流なアスペクト比とは「2:3」ですね。通称「ライカ判」とも言われている通り、ライツ社が小型カメラを作ったときに、映画用フィルムの2コマ分を1コマとして利用したことに起源しています。理由は様々でしょうが、主に映画用キャメラの中ではフィルムの動きが垂直方向に動くことに対して、小型カメラに詰め込んだときにはフィルムが横方向に動かすわけで、その映画用アスペクト比に近い2コマを採用した、ということのようです。正直、このライカの発明から100年近く経とうとしている現在でも、オスカー・バルナックの呪縛から脱出しにくい状況になっているといえるのではないでしょうか。これが本日のお題。写真の周りに存在している各種アスペクト比を、大雑把ですが列挙してみましょう。フィルムでは、2:3(5:7を含む)、4:5、そして1:1が主だった形。デジタルでは、2:3、3:4、9:16あたりがほとんど。変形もある。映像表示装置系では、3:4か9:16でほぼ占められている。シネマ系は除く。プリント系つまり紙関係はちょっと複雑で、2:3に準ずる形でLや2Lがあるが若干長辺が短い形、写真のサイズといえば大判フィルムに代表される4:5、日本で育った感がある四切はちょっと特殊で10:12。紙としてはほぼA版とB版があるけれどこれらは1:√2で2:3より長辺が短い。あ、アメリカの紙にはレターとかリーガルもあるなぁ。絵画関係はFとMとPってのもある。ちょっと雑になったので、分かりやすく整理しましょ。2:3とは1:1.54:5とは1:1.253:4とは1:1.3339:16とは1:1.777L版とは1:1.4262L版とは1:1.401キャビネとは1:1.375四切とは1:1.2A版とは1:1.414正方形は当然1:1などなど。何が言いたいかっちゅーと、ライカ判の2:3をまんべんなく再現できるぴったりの紙や一般的映像機器って無いんよね。なのに、フルサイズより小さいサイズのセンサーもほぼ横並びで2:3を採用している理由が良く解らんのですよ。で、昨日の話の通り、フォビオンの開発が正方形でできていたとのこと。仮にフォビオンが1:1で出たとしても約20x20ミリとなるわけで、ライカ判の短辺の24ミリよりも短くて済むわけで、ライカ判縦走りシャッターでも1/8000秒のメカニズムは存在するわけで、レンズのイメージサークルも問題ないわけで、なんで上下をカットしてわざわざ2:3にしたのか理解に苦しむんですよ。2:3でハイビジョン撮影は短辺を多少犠牲にすればよいのに、プリントを前提にしようとするとせっかくのセンサーの両端を大きく犠牲にすることが必要になるのが、イヤ!ま、そんなわけで、フォビオンに限らず1:1のセンサーって十分に使い勝手が良いと思うんですよ。あ、昔コダックのプロバックってのを使っていたときにその便利さ加減を知ってしまったとも言えるんですが。シグマさん、設計図が残っているなら、ぜひ1:1のフォビオンを出してくださいよ。もちろん新型でやってくれたらもっともっと嬉しいんだけどなぁ。ライカの呪縛からそろそろ逃げてもいいんじゃありませんかねぇ。各メーカーさん。「エスカレーター」 ~台湾 2010~Noctilux 50mm F1.0 (E58 / 2nd)Leica M9Copyright (C) 2010 GINJI, All Rights Reserved.今から20年近く前、上記の理由でコダックは正方形のハイビジョンを開発していました。日記が面白かったという人も、『拍手』をクリックしてくださいね♪