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カテゴリ:家族
プチ家出騒動のあと お互いに態度は普通にしてはいるものの ワタシは食後キッチンに立つたび あの日のダンナのすごい形相を思い出した。 自分が悪いとはいえ なんだか腹の虫が収まらず 将来、ふたりで年金暮らしになったら 朝・昼・夜の三度の食事のたびに キッチンピカピカを求められるのかと思うと 「あーあ、早くひとりになって 気楽に暮らしたいなぁ~」 そんなことまで考えていた。 そして 数日経ったある日。 ダンナが職場の友人に誘われて 夜のコートでテニスを楽しんできた。 若い頃に趣味だったテニスを 最近になってまた再開したくなったと言い 近所のテニス教室にも通い出したので 腕試しとハリキリ過ぎたのだろう。 「あ~疲れたぁ~~!」 ダンナは帰ってくるなり 部屋に倒れ込むように横になった。 汗っかきで普段でも帰宅後はすぐに お風呂に入りたがるのだが 「お風呂やめとく。なんかシンドイ。」 「ちょっと~ もう還暦やねんから 無理したら足腰いわす(痛める)でぇ」 仰向けになったダンナの横にしゃがみ込み ペチペチと手のひらで額を叩いた。 んん・・? なにこの ものすごい違和感 もう一度 額に手を当てた。 この感触は たしか以前どこかで・・・。 えーっと そういえば この顔色もよく似てるんだけれども。 そう じいちゃんの最期のとき あかんやんっ! なんでこんなに身体冷たいの! ぞっとするほど冷たかった。 おまけに顔から血の気が失せている。 慌てて血圧計を取り出した。 ダンナは高血圧気味で 薬で120くらいに抑えているのだが 最高血圧が 86 ぎゃぁああ~~~ えらいこっちゃやん 「これはきっと熱中症の一種やで 水分ちゃんと摂ってたんか?」 「うん、ちゃんと飲んでたよ。」 とりあえず水分補給をと常備している 「経口補水液OS-1」を飲ませようとすると 「それは不味いから麦茶がいい」 などとワガママを言う。 あほか あんた死ぬかもしれんねんで しかし 水分を摂っているのに この状態はあきらかにおかしい。 救急車を呼ぼうか 一瞬そう思って電話を握ったが ふと冷静になり 看護師の友人に電話をかけた。 症状を説明すると やはり脱水症状だろうということで 『スポーツドリンクやタブレットなどで 塩分を与えて様子を見て 吐き気などの自覚症状が治まらず 血圧が戻らないようだったら 救急で診察を受ける必要がある』 とアドバイスをしてくれた。 OS-1が不味いと言うので コンビニまでスポーツドリンクと 塩分タブレットを買いに走り 血圧計と睨めっこをしながら 水分補給を続けていると 徐々に血圧が上がりだして 死人のようだった体温が少し暖かくなり 顔に赤みがさしてきた。 連絡を取り合っていた友人も 『良かった良かった』と安心してくれ 救急搬送されず 無事生還。 夫婦喧嘩をしてから 「早くひとりになりたい」 と思ったことがよくなかったのだろうかと 自分の『心の言葉』に後悔したり このまま死んでしまうかもと思ったときの 自分の『焦りと不安と心配』に やっぱり大切に思ってるんだなと ちょっと安心したり。 タイミングがええのか悪いのか このデキゴトがあったおかげで 本当の意味での仲直りができた気がした。 めでたしめでたし。 「えらいことになるとこやったねぇ。 でも なんでこんなことになったんやろうねぇ。 ちゃんと水分補給はしてたんやろう?」 と顔を覗き込むワタシに 少し元気になった 大切な大切なダンナは笑顔で答えた。 「うん。ちゃんと『水』飲んどった。」 『水』しか飲んでなかった このあとダンナは横になったまんま 罵詈雑言を浴びましたとさ。 ※大量の汗をかいているのに塩分補給しないで水をガブガブ飲んだので 血液中の塩分濃度が急に薄まり『低ナトリウム血症』に陥ったらしい。 重症になると意識障害や心臓の異常を起こすこともあるそうだ。 ←皆さんも気をつけて。罵詈雑言浴びぬように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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