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ポンコツ山のタヌキの便り

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2005年07月18日
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カテゴリ:宮部みゆき作品
みなさん、初めまして、やまももと申します。

 私は宮部みゆき作品のファンで、HP「私の宮部みゆき論」を運営しています。
     ↓
  http://homepage1.nifty.com/yamamomo/sub1.htm

 最近、宮部みゆきの新作『孤宿の人』についてのコメントを書きましたので、もし興味がございましたらご覧いただきたいと思います。
     ↓
  http://homepage1.nifty.com/yamamomo/newpage10.htm

 ところで、今朝、家で購読している毎日新聞を開きましたら、宮部みゆきへのインタビュー記事が載っていて、彼女が新刊『孤宿の人』についていろいろ語っていました。

 同記事の冒頭でこの『孤宿の人』について、「舞台は讃岐国丸亀藩を想定した丸海藩。初めて江戸を飛び出した。さらに、市井の善き人々の哀歓漂う作風を離れ、『今までと違ったことをやりたい』と新境地に挑んだ異色作だ」と書いてありました。

 確かに、宮部みゆきはこの時代小説において、作品の舞台を讃岐の丸海藩に設定し、さらにその丸海藩による自藩存続のための理不尽で非人間的な行為を克明に描き出しており、社会派時代ミステリー的な色合いが濃厚です。宮部みゆき自身、その「新境地に挑んだ」点について、同インタビューでつぎのようにも語っています。

「偉い役人や金持ちの町人より、名もなく毎日懸命に働いてお足を稼ぐ庶民の方が、一番正しく、温かい。これまで私はそう書いてきました。今回のように、善良な庶民がどんどん死んだり、不幸になったりする話を書いたことはなかったのです。でも、封建制度の江戸時代には、どんなに心の温かい庶民も権力に対しては無力であり、割を食ったり、犠牲にならなければならないことが多かった。そこを一度、しっかり書きたいと思い続けていました」

 この『孤宿の人』では、丸海藩で様々な殺人事件が起こり、登場人物たちはその殺人事件の裏に隠された謎の解明しょうと探索を開始しており、確かに時代ミステリー仕立てになっているのですが、自藩に起こった醜聞や紛争を幕府に知られることを恐れた丸海藩によって事件はことごとく隠蔽されてしまい、読者は「謎解き」の爽快さを味わうことはできません。そのことについても、宮部みゆきは毎日新聞の同インタビューでつぎのように述べています。

「藩の上層部は事の真相を全部知っている。それを知りえない人が、謎と感じて推理し、調べて行き詰まり、予測がついても自分の命が危ないので深追いしない。私はミステリー作家ですから、探偵役には胸のすくような活躍をさせたい。けれども、今回の主人公たちはそんな力はなく、強い思いが届かない、いじましい人々なんです」

 このような権力による陰湿な真実の隠蔽工作が描かれているところにも、松本清張に代表される社会派ミステリー的色彩が濃厚なような気がいたします。

 しかし、九歳の少女のほうと幕府の元高官であった加賀様との心の交流を描いた部分には宮部みゆきならではのハートウォーミングな雰囲気が大いに漂い、思わず読者はほろりとさせられることでしょうね。

みなさん、初めまして、やまももと申します。

 私は宮部みゆき作品のファンで、HP「私の宮部みゆき論」を運営しています。
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  http://homepage1.nifty.com/yamamomo/sub1.htm

 最近、宮部みゆきの新作『孤宿の人』についてのコメントを書きましたので、もし興味がございましたらご覧いただきたいと思います。
     ↓
  http://homepage1.nifty.com/yamamomo/newpage10.htm

 ところで、今朝、家で購読している毎日新聞を開きましたら、宮部みゆきへのインタビュー記事が載っていて、彼女が新刊『孤宿の人』についていろいろ語っていました。

 同記事の冒頭でこの『孤宿の人』について、「舞台は讃岐国丸亀藩を想定した丸海藩。初めて江戸を飛び出した。さらに、市井の善き人々の哀歓漂う作風を離れ、『今までと違ったことをやりたい』と新境地に挑んだ異色作だ」と書いてありました。

 確かに、宮部みゆきはこの時代小説において、作品の舞台を讃岐の丸海藩に設定し、さらにその丸海藩による自藩存続のための理不尽で非人間的な行為を克明に描き出しており、社会派時代ミステリー的な色合いが濃厚です。宮部みゆき自身、その「新境地に挑んだ」点について、同インタビューでつぎのようにも語っています。

「偉い役人や金持ちの町人より、名もなく毎日懸命に働いてお足を稼ぐ庶民の方が、一番正しく、温かい。これまで私はそう書いてきました。今回のように、善良な庶民がどんどん死んだり、不幸になったりする話を書いたことはなかったのです。でも、封建制度の江戸時代には、どんなに心の温かい庶民も権力に対しては無力であり、割を食ったり、犠牲にならなければならないことが多かった。そこを一度、しっかり書きたいと思い続けていました」

 この『孤宿の人』では、丸海藩で様々な殺人事件が起こり、登場人物たちはその殺人事件の裏に隠された謎の解明しょうと探索を開始しており、確かに時代ミステリー仕立てになっているのですが、自藩に起こった醜聞や紛争を幕府に知られることを恐れた丸海藩によって事件はことごとく隠蔽されてしまい、読者は「謎解き」の爽快さを味わうことはできません。そのことについても、宮部みゆきは毎日新聞の同インタビューでつぎのように述べています。

「藩の上層部は事の真相を全部知っている。それを知りえない人が、謎と感じて推理し、調べて行き詰まり、予測がついても自分の命が危ないので深追いしない。私はミステリー作家ですから、探偵役には胸のすくような活躍をさせたい。けれども、今回の主人公たちはそんな力はなく、強い思いが届かない、いじましい人々なんです」

 このような権力による陰湿な真実の隠蔽工作が描かれているところにも、松本清張に代表される社会派ミステリー的色彩が濃厚なような気がいたします。

 しかし、九歳の少女のほうと幕府の元高官であった加賀様との心の交流を描いた部分には宮部みゆきならではのハートウォーミングな雰囲気が大いに漂い、思わず読者はほろりとさせられることでしょうね。

テクノラティプロフィール

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最終更新日  2005年12月26日 21時45分19秒
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