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カテゴリ:宮部みゆき作品
今多コンツェルンの広報誌「あおぞら」の編集長の園田(室井滋)もバスジャック事件の精神的ショックから立ち直り職場に復帰します。園田の職場復帰を祝って広報誌「あおぞら」の編集部一同は野本(犬飼貴文)が手配した中華料理店で賑やかに飲み会を開きます。
このとき手島(ムロツヨシ)が隣の席に座った園田編集長に慰謝料をどうしたかと質問していまが、園田は「慰謝料? 私結婚したことないからそんなのもらってないわよ」と頓珍漢な返事がしています。どうやら暮木から園田には現金が小包でまだ届いていないようです。 解散間近に間野(長谷川京子)が杉村(小泉孝太郎)にそっと「この後、2人だけで少し……」と伝えます。間野と杉村は中華店近くの喫茶店に立ち寄り、間野は杉村に井手(千葉哲也)から職場でセクハラまがいの行為を受けて困っていることを伝えます。井手が間野を仕事にかこつけて自宅に呼んだりするような行為をしていると知った杉村は、井手にそのことを職場で問題にすると約束します。 そのころ、杉村家では娘の桃子(小林星蘭)が急に熱を出し、菜穂子(国仲涼子)は杉村に何度も電話で連絡しますが、杉村は中華料理店での飲み会の最中から携帯の電源を切っていたために連絡を取ることができず、菜穂子は仕方なく自分の運転で桃子を病院へ連れて行こうと玄関を出ますが、そのときたまたま今多嘉親(平幹二朗)の屋敷に来ていた橋本(高橋一生)が菜穂子たちを見つけ、二人を病院まで送ってくれます。そんなことを知らぬ杉村は夜晩くに帰宅しますが、幸い桃子も元気に菜穂子と一緒にすでに帰宅していました。 後日、杉村は亡くなった北見(大杉漣)の息子の司(松本岳)の家を訪れます。北見の墓地で偶然会った足立(渋川清彦)が高越勝巳(水橋研二)を殺害した容疑で指名手配されることをテレビで知ったからです。北見の息子の住む公営住宅には北見の妻の容子(かとうかずこ)もおり、足立には前科があり、就職もままならずホームレスをしていたこと、高越勝巳という人物から声をかけられ住宅ローン詐欺の片棒を担がされたこと、北見は高越のことを調べる約束をし、足立の再就職に力を貸す約束をしたこと、北見が死んだあとで足立が再度やって来たので北見が調べてファイルにまとめた高越による詐欺行為の調査報告書を渡したことなどを知らされます。 広報誌「あおぞら」では今多嘉親(平幹二朗)の会長命令を受けてバスジャック事件調査は編集部の杉村、手島(ムロツヨシ)、椎名(岡本玲)、野本がこの事件のことを一緒に調べ始めます。杉村は、三悪人がかかわった詐欺グループ「日商フロンティア協会」の代表の小羽雅次郎(仲雅美)が英会話教材販売の仕事を始めたころの同僚だったという猿田(桜木健一)に会い、彼から小羽がコンサルタントとしてすっかり心酔しいろいろ教えを受けていたという人物の存在を知ります。杉村はそのコンサルタントこそ暮木老人(長塚京三)ではないかと思い、猿田に暮木の写真を見せますが記憶にないとのことでした。後日、猿田からそのコンサルタントから貰ったという名刺をメールで送信してもらいますが、その名刺には「御厨尚憲」という名前が印刷されていました。 桃子のピアノ発表会当日、杉村は発表会場に参加しますが、菜穂子から「携帯の電源切った?」と聞かれて取り出した携帯電話に北見の妻からのメールが受信されていることに気が付きます。慌てて会場ロビーから北見の妻へ電話をすると、高越の内縁の妻の井村絵里子(入山法子)が北見の家にやってくるとのこと。このことを知った杉村は、そのことが気になり、桃子のピアノ演奏も上の空、演奏終了後すぐに「人の命ら関わる大切なことがある」と菜穂子に言い残してピアノ発表会場から立ち去ります。杉村は、足立にはホームレス経験があり、水・トイレ・供え物などがある墓地に隠れているのではないかと推測し、北見の眠る墓地に直行し、そこで足立を見つけます。 杉村は足立を信じると言い、「人に騙された人間はみんな人を騙すようになるが、あなたは違う。罪を心から悔い改めており、ペテロという人物が自分の誤りを死ぬほど責めて後に聖人とあがめ立てられたように、心から悔い改めたらその罪は許されるだろう」とし、北見の家に殺された高越の奥さんが来るので、真実を直接自分の口で伝えるべくであると説得します。 説得された足立は北見の家で高越の妻に自分はやっていないと告げますが、なんと高越の妻は足立が犯人でないことは分かっていると言い切り、杉村の犯人が分っているのかとの問いにうなずくのでした。 ところで、今回の第5話のラスト近くに、桃子のピアノ発表会終了後、彼女が歩道橋の下を歩いている私服姿の橋下を偶然見つけ、そのことを伝えられた菜穂子が歩道橋の上から歩道を歩く橋下に大きな声で「橋下さん」と呼びかける場面が出てきます。菜穂子から声をかけられた橋下は歩道橋上の菜穂子のもとに向かいます。そのときテレビの画像には歩道橋の階段を数段も飛び越しながら弾むように駆け上がる橋本の全身像とその足の歩みがくっきりと映し出されます。いつもはクールな橋下のこの時の心理を意識的に表現しようとしたのでしょう。そして桃子のピアノ発表についての質問に「とてもお上手でしたよ。感動しました」と感想を述べます。うーん、杉村が桃子がピアノ発表会のときに足立のことを考えて気もそぞろでいたり、桃子のピアノ演奏終了直後に会場を飛び出していったか姿と比較してなんという違いでしょうか。このテレビドラマのその後の杉村夫妻と橋下の関係を予測させるような意味深な場面でしたね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年08月19日 13時26分02秒
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