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長生きはしてみるもので、きのうの朝日、毎日両新聞の1面にそろって「国益」という活字が躍っていた。朝日新聞ではコラムでも使っており、「国益」より「平和と民主主義」が大事だと考えておられる両紙の愛読者はさぞ失望されたのではないか。 ▼両紙ともに、安倍晋三首相の靖国神社参拝に中韓はもとより、米国も「失望した」と表明したのを喜ぶかのように「国益を損なった」と筆をそろえている。日ごろの紙面からは、想像できぬほど国益を重視する筆致に感心した。確かに、中国、韓国の対日嫌がらせは増し、進出企業が少なからぬ損害を受けるのは免れまい。 ▼日中韓の首脳会談実現も望み薄だ。ただし、参拝せずとも対中韓関係は冷え込みっぱなしだったから、影響は「雪の上に霜がおりる」程度にしかすぎない。むしろ、首相の靖国参拝で得られた国益はかなり大きい。 ▼第一は、首相が公約を守ったという事実だ。アベノミクスがうまくいっているのに中韓と波風を立てる必要はない、としたり顔でいう識者は、約束を守らない政治家を見過ぎたのだろう。政治家が自らの発言に責任を持ち、実行に移すのは当たり前の姿であり、「政治力」アップは間違いなく国益に資する。 ▼米国務省が「失望した」と、表明してくれたのも国益に大いに役立った。日米同盟が永久不変なものではなく、歴史認識ひとつとっても日本が逐一、主張しなければ、中韓のプロパガンダ(宣伝)工作にしてやられかねないことを教えてくれた。 ▼米国はかけがえのない同盟国ではあるが、国のために命をささげた先人への感謝は譲れぬ一線である。心ある日本人が「嫌米」にならぬようケネディ駐日大使はぜひ、靖国神社にお参りいただきたい。2013年12月28日 産経抄
☆「首相が公約を守ったという事実だ」と書いている「産経抄」の筆者は、「首相が破った公約」のリストも併記すべきだろう。「公約を守らない政治家」の中に安倍が入らないことを証するのはそれしかない。その過程をすっ飛ばして、最後の「ケネディ駐日大使はぜひ、靖国神社にお参りいただきたい」という一節はブラックジョークなのか?ケリー国務長官が千鳥が淵に参拝したサインを故意に見落としていることの重要性が全くわかっていない。 『産経新聞』は、「日本のやったことでも日本のプライドを貶めるようなものはなかったことにする」という社是を持っている。 一種の宗教団体の機関紙のようなものだ。 「進歩のない者は決して勝たない。負けて目ざめることが最上の道だ。日本は進歩という事を軽んじすぎた。私的な徳義やけっぺきにみだわって半の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ例外に日本がどうして救われるか。今日目覚めずしていつ救われるか。俺たちはその先導になるのだ」という臼淵大尉の言葉をこの著者に読ませてやりたい。」『戦艦大和』吉田満 角川文庫 ホントに「まるで進歩がない」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.29 02:33:55
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