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まろ0301

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2018.04.03
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 ちくま文庫(日本文学全集)で、「にごりえ」「大つごもり」を読み終える。「たけくらべ」もそうなのだが、一語一語丁寧に読むのにこれほど適した作品もない。うまいなぁと思わせられる。高校の国語の教科書には鴎外の「舞姫」がよく載っているのだが、擬古文を味わうには一葉の方がいいのではと思う。

 

 市井に暮らす人の生活は私たちのような市井の人間が書かないと・・。

 

 という意味のことを一葉は妹に言っていたらしい。

楼の売れっ子と、持ち金すべてをつぎ込んで、妻にも子にも去られてしまう男は、やはりこういう結末を迎えるのかと納得しつつも寂しくてならない。
 女が、子どもに菓子を買ってやる。子どもはややこしいことは分からないから喜んでいるのだが、女房にとっては自分の亭主を腑抜けにした鬼のような女。その女から菓子を買ってもらうとは・・と怒り狂う箇所は、近所のおかみさんたちの噂話に取材したのだろうか、女房が夫婦別れを持ち出した亭主に対して、分かれないでくれと懇願し、最後はそれを受け入れて去っていく場面は心に残る。哀しい。

「にごりえ」を読んで、つぎに「おおつごもり」に取り掛かった。

 ここでもお金の苦労が語られる。しみったれの主人に良いようにこき使われている少女が、ふと過ちを犯してしまい怯えて暮らすのだが、本当に意外なオチが待っていた。ええっ、これは、オー・ヘンリーではないか・・・と思ったほど。一葉さん、やってくれるではないか!と思わず快哉を叫んだ。

 あと二十年、いや十年書いたなら、どんな傑作が誕生したかと思うと惜しい。

 もう一度、「たけくらべ」を読み、他の作品も読んでみたくなった。






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Last updated  2018.04.03 20:57:25
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まろ0301@ Re[1]:「おむすび」から「虎に翼」へ(10/13) maki5417さんへ 歩くことには支障はなく…
maki5417@ Re:「おむすび」から「虎に翼」へ(10/13) 5月の24日に交通事故に遭い左肩と左の大腿…
まろ0301@ Re[1]:入院と退院(08/31) 嫌好法師さんへ とにかく命があった事、…
まろ0301@ Re[1]:入院と退院(08/31) 象さん123さんへ 人生初の交通事故で…
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