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デカダン
彫刻油画詩歌文章、 やればやるほど臑をかじる。 銅像運動もおことわり。 学校教師もおことわり。 縁談見合もおことわり。 それぢやどうすればいいのさ。 あの子にも困つたもんだと、 親類中でさわいでゐますよ。 鎧橋の「鴻の巣」でリキユウルをなめながら 私はどこ吹く風かといふやうに酔つてゐる。 酔つてゐるやうにのんでゐる。 まつたく行くべきところが無い。 デカダンと人は言つて興がるが こんな痛い良心の眼ざめを曾つて知らない。 遅まきの青春がやつてきて 私はますます深みに落ちる。 意識しながらずり落ちる。 カトリツクに縁があつたら きつとクルスにすがつてゐたらう。 クルスの代りにこのやくざ者の眼の前に 奇蹟のやうに現れたのが智恵子であつた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.27 20:08:55
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