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マルティン・ベックのシリーズがこれで完結。
タカ派の米国上院議員がスウェーデンを訪問するということで、その警護の責任者を仰せつかったマルティン・ベック。国際的なテロ組織が狙うことが予測される中、思ってもみなかった方法で、犯人の裏をかく。。。 世界が、まだ右だ左だという極端な思想の間に揺れていた頃の社会背景がわかります。 テロ組織の重要なメンバーとして描かれる2人の日本人がいますが、70年代初頭と言えば、確かに国際的にいろいろな事件に関与した日本人がいましたねえ。 スウェーデンでも知られていたんだと、ちょっとした驚きです。 そして、観光客としてカメラを持って歩く日本人も出てきて、「え?その頃にもうスウェーデンまで観光に行く人が多かったんだ・・・」とこれも認識が新たになりました。この作品が書かれた頃は1ドル360円の固定相場制の時代(その終了直後かしら・・・)のはず。どんな時代にもお金持ちはいるものね、とやっかんでみたり。 肝心のストーリーは伏線もしっかりしていて、スケールも大きく、面白かったです。 シリーズ最後ということで、刑事さんたちが総出演(?)しています。 40年以上前の外国の作品なのに共感するところが多いのは、今にも通じるところがいっぱいあるからでしょう。硬直した組織にイヤ気が差して早期退職したコルベリ、同じく組織にうんざりしながら有能さを発揮して働くベック、組織に対する不満は言いたい放題ながら自分の仕事はちゃんと遂行するラーソン。それぞれのスタンスが明確で、読む人によって共感するキャラクターは違うんでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.20 13:44:31
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