さるノーベル賞学者の出演番組をみていたら、疫病対策の基本は検査と隔離なのに、なぜ政府は検査をやらないのかという話をしていた。たしかに先進国と日本の検査数をみるとダントツに日本は少ない。先進国でなくても、日本よりも検査数の多いところはいくらでもあるだろう。これに限らず番組出演者同士がなぜ日本は検査が少ないのでしょうねえと不思議がるのは前にもあった。けれども、それを出演者に語らせるのではなく、実際に厚労省なりなんなりに取材して究明した番組はみたことがない。マスコミの怠慢ではないか。前総理が会見で言ったような保健所が忙しくて「目詰まり」をおこしているなんていう説明は、とうてい納得のいくものではない。最近では民間の検査の広告もでているが一件につき何万円もしたりするし、どこぞでやっている安価な検査は2月まで予約がいっぱいなのだという。
勝負の三週間の後は緊急事態宣言なのだが、これも、もっぱら国が国民に要請することばかりである。それも外出するなとか外食するなといった一般的自粛要請ばかりで、どれほど効果があるのだろうか。単に屋外を歩くだけなら感染の危険は特にないし、外食も一人や家族で十分に周りと距離をとって食べるなら問題もないだろう。漠然ではなく、もっと具体的に行動を絞った方がよいように思う。
そしてまた要請だけではなく、政府が何をするのかをなぜ示さないのだろうか。検査数はいつまでにどのくらい拡大するつもりで、今はどのくらい進んでいるのか。病床数はどのくらい増やす計画で、今どうなっているのか。そしてまた、世界のあちこちで実用化しているワクチンは日本ではいつ頃どんな手順で行われるのか。政府がどんな施策を行っているかの状況把握ができないまま、自粛を要請されても気運が盛り上がらないのはあたりまえである。
そしてまた五輪五輪…最近ではどうもこれが疫病神のようにおもえてならない。自粛要請をし、電車の混雑もへらそうとしているのに、どっかでは会場をいっぱいにしてラグビーが行われたという。去年よりもずっと状況は厳しいのに春の選抜でも観客を入れるという。もし、五輪を意識してこんな愚挙をやっているのなら、やめるべきだろう。
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