|
テーマ:最近観た映画。(38865)
カテゴリ:映画
終戦直後の日本をゴジラが襲う。実際にはそんな事実はなかったわけなので、一種の架空世界の物語である。ゴジラにより空襲による破壊を免れた銀座の街は壊滅し、海軍の生き残り達がそれに立ち向かっていく。ゴジラは一種の破壊神で、災害の暗喩という見方もできる。それは、原爆のようでもあり、震災のようでもあり、いつかやってくるであろう首都直下地震のようでもある。なお、日本では人災である空襲も災害のようにとらえられている。 それに対する元海軍軍人の中心は技術士官であり、ゴジラ撃退のために作戦を練っていく様子は、プロジェクトXを連想させる。戦争はまず高等教育を受けていない若者から動員され、そして学徒出陣も法文系の学生から行われた。軍隊でも技術系の人間は比較的安全なところにいた。そうして生き残った技術系の人材はどっかで戦場で死んだ同世代の者に対する負い目のようなものがあったかもしれないし、無謀な戦争を行った国家というものに対する不信感もあったであろう。戦後の復興はこうした技術系の人材なしではありえなかった。航空機や武器を作る技術は自動車や他の製品開発にも生かすことができたし、そうした優れた製品が日本に繁栄をもたらした。ゴジラが海に沈んでいく最後の場面は、終戦直後の荒廃や飢餓を克服していったことに重なる…こんな見方は考え過ぎだろうか。 なお、俳優の吉岡秀隆氏は昔「半落ち」という映画をみたときには下手な俳優(もちろん主観)という印象をもっていたのだが、この映画では非常に上手いという印象しかない。そういえば映画「Winny」でも脇役ながらよい演技をしていたのを思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[映画] カテゴリの最新記事
>ゴジラが海に沈んでいく最後の場面は、終戦直後の荒廃や飢餓を克服していったことに重なる…こんな見方は考え過ぎだろうか。
考えすぎでなくよい見立てで流石七詩さんだと思います。 対して、朝日新聞天声人語の人間としての品性が欠落し、知的レベルが低すぎて、読んでいる方が恥ずかしくなる悪質な落書きともいうべき内容が以下です。 「新たなゴジラ映画を作るとしたら、ゴジラが靖国神社へ行くというのはどうだろうか」というもので、愛する家族、郷土を守るために命を亡くした名もなき英霊たちに、唾吐きかけるだけでは足らず、ゴジラによって英霊は完膚なきまでに破壊して欲しいと天声人語は云っているのです。 無法国家と化している中国、ロシア、北に対する物理的防衛は一切ならず、侵略されたら言われるままに命差し出し、惨殺,凌辱されるままにせよと実質的に日頃言っている朝日新聞に相応しい、身も心も凍る天声人語の悪文と言えるでしょう。 >俳優の吉岡秀隆氏は昔「半落ち」という映画をみたときには下手な俳優(もちろん主観)という印象をもっていたのだが、この映画では非常に上手いという印象しかない。そういえば映画「Winny」でも脇役ながらよい演技をしていたのを思い出した。 吉岡秀隆は寅さんシーリーズ48作で寅さんの甥満男役で常連として、当時壮烈だった山田洋次監督に鍛えられたのが現在いぶし銀の如き光彩を放つ名優へと進化したのだと思います。 (2024年03月23日 11時39分03秒)
・曙光さんへ
ゴジラにたちむかう元海軍軍人の民間人達の姿はそのまま戦後の復興に貢献していった人々の姿に重なりました。明治の近代化もそうかもしれませんが、戦後の復興も、政治家や官僚の手柄と言うよりも、技術開発に邁進し、外貨を稼げるような製品を作り出していた人々の役割が一番大きいように思います。 (2024年03月24日 07時56分06秒) |