人手不足と言うことが盛んに言われているが、これと同時に省力化もかなり進んでいると思う。近所のオフィスビルでもつい最近まで朝ともなればモップを動かし掃除をしている人がいたのだが、これが最近では掃除ロボットに変わっている。店でも自動レジやタッチパネルが急速に普及し、映画館でも窓口での券発売は少なくなっている。タッチパネルなど、やり方がわからずにきれている人も時々見かけるが、こうしたものも現在の自動改札と同様にあたりまえの光景になっていくのだろう。
そういえば、昔は駅の改札には必ず駅員がおり、ATM普及前の銀行には大勢の窓口職員がいた。デパートのエレベーターにもエレベーターガールがいたので、そんな時代に比べれば、今だってずいぶん省力化されている。省力化できるところは省力化し、その一方で、多少の不便は甘受するようになれば、人手不足の問題は多少解決するのではないのだろうか。少し前までは、注文したものがすぐには届かないなどということはあたりまえの光景だった。
そしてまた、人手不足の問題となると必ず出てくる外国人導入の議論であるが、この是非を言うまでに留意しなければならないことがある。一つは人口減少は日本だけではなく、周辺国でも起きているということである。送り出す側は細り、受け入れる需要は増えてくるということか。もちろん地球規模で見るとアフリカのように人口爆発が続いているところもあるのだが、日本に多くのアフリカ人労働者が働くという未来図は、地理的文化的距離からして、ちょっと考えにくい。もう一つは、人材導入を行う国は日本だけではない。円安が続けば、就労に行く国として日本の魅力はそれだけ薄れることになる。これも忘れてはならない点であろう。