親の呪い・・・転移とセラピーと
夜バスは早朝の丸の内駐車場にマクドで一休み昨日は恒例の銀座ワーク。何人か期待してた人たちがお休みで、少々残念だったけれど、いつものメンバーで結構朝から盛り上がりました。ミニゼミのお題は「影と転移」です。ユングによれば生育の中で抑圧された悪感情は無意識に存在し、現実の相手に投影されて、相手に対して悪感情を抱くようになるとのこと。似たようなことをフロイトは転移という言葉で説明しているようです。もちろん悪感情だけでなく様々な感情は生育の中で体験ととともに意味付けられ記憶されていくわけですが、その体験や記憶は現在の対人関係を意味付け情動を生起させます。これが心理学でいう転移というもの。さらにクライアントがセラピストに対して抱く感情を転移とするなら、セラピストがクライアントに抱く感情もまた逆転移として生起されます。このことをさらに拡大解釈してみれば、私たちが認識している現実世界というのは、その人の主観的な意識世界を投影しているだけであって、客観的な世界はあり得ないということかもしれません。言葉一つ、現象ひとつとっても、一人一人その意味も異なるのだから。私のところにやってくる多くの来談者は様々な困難を抱えておられます。現象的には困難の元の状況があり、状況を変えられなくて苦しんでおられます。もちろん私もそんな状況に対して、緊急的な対応をすることも少なくありません。コンサル的な仕事だったり、ケースワーク的な仕事だったり。けれどあくまでそれは対症療法であって、根本療法ではありません。根本的な対策はその方の生育での体験の意味付けを変えていくこと。状況の問題からなぜ状況に対して、そのような感情が湧いてくるのか影や転移などの理屈を応用しながら自己洞察してもらい、蓋していた過去の体験を新しい価値観や視点で読み解き、別の物語に書き換えていくことです。多くの来談者が生育の問題を抱え、そのことが現在の問題を作り出していると言っても過言ではないでしょう。私はしばしばそのことを親の呪いと表現しています。子どもの頃親にかけられた呪いは本人には気づかず、いつまでも本人やその家族を苦しめます。しっかりして、負けるな、いい子で、優しく、賢く、強く、美しく、素直で、可愛く、立派な、人に笑われない、・・いろんな言葉を繰り返し投げかけられ、心に積み上がっていきます。そのぶん、ダメで、どんくさく、勉強もできず、醜く、弱く、すけべで、ずるく、嘘つきで、意地悪で、ひがみっぽく、性格も悪く、暗く、陰険で、惨めな、自分なんて、いるはずはないと、無意識の奥底に沈殿していきます。けれど、いなすはずの自分が、目の前に現れると沈んでた感情がたちまち沸き起こり、目の前から排除したくなります。怒りや、憎しみ、嫉妬や不信感の形になって・・・これがユングの言う影とその投影です。DVや虐待などの問題行動の背後にはたいていこのような生育における親子関係の問題があります。そのことに来談者が気づき、隠された自分を受け入れていくと、相手を排除したりコントロールする必要がなくなります。加害・被害に関わらず、暴力は犯罪だからいけないと我慢してたりさせたりしているうちは問題は終わりません。暴力に至る怒りやその奥底の自分の痛みや悲しみを受けいれ、言語化し、他者と分かち合うことで、排除や暴力で自分を守る必要もなくなります。来談者が蓋してた体験や感情を引き出し寄り添い、それを受け入れていくお手伝いをすることが、セラピーの基本でしょうか。そんなことをミニゼミでおしゃべりした後、女ワークでは、それぞれの動機を語っていただきました。金やら安心やら、他者の評価やらを語るうちにそれが親や社会から受けた呪いと無関係ではないってことも理解していただけたように思うけれど・・・。さらに男ワークでは自分の影となる感情ついてフォーカスしていただきました。ワークの後カウンセリングも夜バスまで目いっぱい。夜バスに乗り遅れそうになったので走った走った・・・。早朝の自宅では自生したムクゲが綺麗に咲いてましたそうそう、次回の銀座ワークは二週間後の九月十三日になります。カウンセリングをご希望の方、お早めにご連絡くださいねー。多くの方にメッセージを届けるために、ブログに納得してくださったら、ワンクリックお願いします♫ にほんブログ村