横浜市金沢区に開設予定だった障害者のグループホーム(GH)が、
近隣住民の反対を受けて断念していたことが分かった。
運営会社などによる説明会では
「住民感情になぜ配慮をしないのか」「お金があれば引っ越したい」
などの発言が相次いだといい、
入居者の精神的負担を踏まえて中止を判断したという。
GHは空き家だった同区内の戸建てを改修し、
昨年11月に開設予定だった。
日中は作業所などに通う知的障害者6人が、
スタッフの支援を受けながら共同生活を送る想定をしていた。
しかし同10月、町内会からの要望で設けられた説明会では、
地元住民から開設を拒絶する感情的な発言が相次いだという。
説明会に参加した関係者らによると
「こんな施設ができるなら、お金があれば引っ越したい」
「(町内会の)全員が賛成しない限り、やらせない」
などの発言があった。
運営会社代表の男性(48)は
「悪者扱いされ、つるし上げのような状態だった」
と振り返り、
「『(入居者が)視界に入る』と言われた時、
感覚が違い過ぎて理解できなかった。
対話自体が困難だった」
と話す。
説明会終了後、
「入居者を守りきれない」
という判断から当面の開設を断念。
横浜市のGH新設事業に応募し、
設置・運営の補助も決まっていたが、
年度内に開設できなければ辞退せざるを得ないため、
開設は最短でも2025年度にずれ込む見込みだという。
情報提供を受けた市も町内会への聞き取りを行っており、
参加者による差別的な発言があったことを確認した。