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カテゴリ:書評
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います2【電子書籍】[ 香坂 マト ] 昔から雑多に本を読む方で、読んだ後に書評めいたことをしたいと感じるのは大概が名作、または迷作にぶつかってしまったときである。良い方向にしても悪い方向にしても感情を動かすという点においてはどちらもその書籍の価格分の仕事はしたと言って良い気がしないでもない。 今回書評の対象とするのは、いわゆるライトノベルで、なぜこの本を手に取ったのかと問われればAppleのブックアプリで上の方に出ていたから、ただそれだけである。たまにはこういう、何も考えないで読めるような本も悪くはないのではないか......そんな感じで。 書籍の内容としては、まず小説という括りに入れて良いのかどうか。イラストで補完されることを前提にしているつくりで細かな世界観の説明についてはかなり雑、というかそもそも説明するつもりがあまりない。そして、恐ろしいことにそれでも成立してしまうのはこの物語の世界観がいわゆる標準的なファンタジー世界的なそれで、特定の固有名詞は登場人物の名前を除けばまあよくわからなくても物語の進行上はさして問題にならない。ここまで開き直って(?)書ければ、書いている人はまあ楽しいだろうなあ。ここ最近のライトノベルのスタンダードはわからないけれど、少なくともこの作品については僕は小説ではなく、漫画の文字起こしの類であると思う。それを良いと捉えるかクソと捉えるかはその人次第ということなのだろうけれど3巻まで続刊していることを考えれば、十分に支持されているということなのだろう。 物語の質としては決して悪くはないのだけれど、標準的なファンタジーもののライトノベルで特に何か目新しさがあるわけではない。作者の語彙力や表現の幅が特に高いとは感じず、だからと言って不足があるわけでもない。電撃の金賞でこれか......とガックリとくる気持ちがなかったわけでもないが、どうにも没個性的というか。一時期やたらめったら流行した転生モノよりはなんぼかマシかもしれないが、定価で買って読むべき本かと言われれば......同じライトノベルカテゴリーの中でももうちょっとマシなのもあるんじゃない?とは思う。というかあってほしい。こんなのがトップオブトップだとしたらもうライトノベルはダメですね。まあ、そんな本です。 展開...3/20 キャラクター...15/20 設定...3/20 意外性...1/20 表現、語彙...2/20 24/100 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.02.17 08:32:50
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