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カテゴリ:読書・宮部みゆき
『誰か』以来3年振りとなる長編現代ミステリー。 どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。 お薦め度 ★★★★ Powerd by Template やっと図書館の順番が回ってきました。 人気作家・宮部みゆきさんなので今年中に手にできるか心配になってました。 順番を待ってたのは長かったけど、待ち続けた分一気に読破! あの分厚さを二日で読んじゃいましたよ。もっと時間をかければよかった。(苦笑) 物語は『誰か』の続編です。主人公は今多コンツェルン会長の娘婿・杉村三郎。 本妻の娘でないから、今多コンツェルンには何の権力も持たないはずだけど、 周囲の人間はそうは思わないんですよね。「逆タマ」とか散々噂されるし。 でも、杉村さんのキャラがそういった「権力抗争をおこす」ようなタイプ じゃないから安心して物語が読めます。周囲の人も結構、良い人集ってるしね。 今回「連続無差別毒殺事件」というナントも恐い話から始ります。 ま、一般的な推理小説は「主人公が探偵の役割」をなすのでしょうが、 杉村さんに限っては…そういったタイプじゃないような。(御免!) あくまでも人徳によるものという雰囲気で、重要な人物達が 勝手に(!?)集ってきてます。ミステリーの謎解きを、本格的に 楽しむ読者層には、この作品はつまらなく感じるかも。 私は。ミステリーとしてこの作品を読んでるというよりも… 杉村夫妻の嫁姑問題、婿舅の関係の方が気になって読んでます。 杉村夫婦には今回、散々な目にあってお気の毒でしたが、 親たちの心の奥底の想いを、垣間見れて良かったです。 今回、トラブルメーカーだった、園田さん。 周囲に注意されると逆切れして「なんで私ばっかり」と怒る、暴れる。 こういった人とは、関わりたくないなぁと思ったけど。 こういったタイプの子って案外、多いのかもしれませんね。 「何で私ばっかり不幸なの」って周囲に八つ当たりばっかり。(^_^;) 人間の中に潜む、目に見えないそういった毒の部分。 何の防衛作が無いし、確かに恐いように思いますね。 (主な登場人物)前作『誰か』の一年後の設定の様子。 杉村三郎 36歳。今多コンツェルン広報室勤務。 杉村菜穂子 30歳。三郎の妻。身体が弱い。 杉村桃子 5歳。三郎・菜穂子の娘。 今多嘉親 80歳。今多コンツェルン会長。菜穂子の父。 菜穂子の母 今多嘉親の愛人。急性心不全で死去。享年50歳。 今多泰孝 50歳。菜穂子の長兄。今多コンツェルン社長。 今多孝之 48歳。菜穂子の次兄。今多コンツェルン専務取締役。 今多恵理子 孝之の妻。 遠山 「氷の女王」と異名を持つ。今多嘉親の第一秘書。 橋本 遠山補佐役。 園田瑛子 グループ広報室編集長。 谷垣 55歳。広報室副編集長。 加西 今多エステートから出向。三郎の同僚。 原田いずみ 26歳。広報室アルバイト。 秋山省吾 32,3歳。若手ジャーナリスト。 五味淵まゆみ 大学二年。秋山は母方の従兄。 黒井寛治 今多物流倉庫。管理部第二次長。 黒井早苗 寛治の娘。中二。シックハウス症候群。 古屋明俊 67歳。連続毒殺殺人四人目の被害者。 古屋暁子 42歳。明俊の娘。シングルマザー。オフィシャルプランナー。 古屋美知香 中学生。暁子の娘。 木野 美知香の同級生。 荻原弘 コンビニ「ララパセリ」店長。自称アーティスト。 外立研治 22,3歳。喘息持ち。「ララパセリ」店員。 奈良和子 57歳。明俊と付き合ってた女性。夫とは死別。 沼田 「アクト」社長。 岸井 「アクト」編集部員。 北見一郎 元警察官。調査事務所開設。 卯月勝敏 城東署刑事課巡査長。 松井 港中央署刑事課。 窪田喜代子 39歳。三郎の実姉。小学校教師。 三郎の母 実家で長男夫婦と同居。三郎の結婚に反対し、今も疎遠。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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