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駆け出し記者の一期一会

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2008年03月18日
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カテゴリ:音楽
オーケストラのリハーサルを見る機会を得た。
学生オケをやっていた頃が懐かしいが、
今日のは一流のプロなのだ! 朝からワクワクしながら川崎駅を降りる。
駅に直結するミューザ川崎シンフォニーホールは2004年に完成。
ベルリンのフィルハーモニーを模して建てられたそうで、確かにちょっと似ている。
周りの景色が全然違うのは当然だが。。音響はなかなかものだ。

カメラマンさんと落ち合って楽屋口から入ると広報の方が迎えてくれた。
午前10時過ぎ、団員が続々と集まって楽器をスタンバイしたり、
ウォーミングアップで曲をさらったり、だんだん雰囲気が盛り上がってくる。
全員が席に着いたところでマエストロ登場。

昨日の夕方、ラウンジでお茶を飲みながら、終始にこやかに、それでいて熱っぽく、
中国のオーケストラの楽器がひどいことや、日本のオーケストラが忙しすぎることや、
なぜ今シューベルトなのか…などなど、率直に語ってくれた人柄はそのままだが、
一旦指揮台に上がると、ビシッと表情が鋭くなる。
開口一番、
「このハイドンのシンフォニーは熊という名前です」
コミュニケーションはすべて英語。通訳は置かないらしい。
熊のいろいろな気持ちが表現されていることを伝えると早速、
「では、やってみましょう」

さすが、元サッカー少年、今もサッカーファンというだけあるダイナミックで
しなやかな身のこなしに目を見張った。
静かなピアノ部分では背中を丸め、腕が胸の前に来る。
ちょっとうらめしや~みたいな形で手首から指先を細かく動かす。
…と思ったら、ふいに両腕で大きな輪の形を作って「フォルテです!」とばかりに、
上半身全体を前後左右に大きく揺さぶり、両腕が振り子のように胸の前を往復する。
右腕が横へ大きく振り出されると、ヴィオラとチェロとコントラバスの低弦がブィンと響く。
後ろのほうをちょいと指さすと、ラッパがパンと鳴ったり、ティンパニが登場したり。
バイオリンの弓のスピードも指揮者の合図で変わるのだ。
そんな風に、身体の動きやちょっとした顔の表情で、
オーケストラを自由自在に操っているように見える。
いや、そういうちょっとした動きに反応して、
七変化してみせるオケの力量もさすがである。

オーケストラの団員か・・・学生オケと違って、
音楽で生計を立てるプロの集団である。
音楽で食べて行くなんて、ものすごくリスキーな道を選ぶだけの
才能に恵まれ、努力を重ねてきた人達の集まりだ。

休憩時間に少し話を聞かせていただいたファーストバイオリンのきれいなお姉さんは、
イタリアのコンクールで優勝して最近入団した新進気鋭のバイオリニストだと、
あとから広報の人が教えてくれた。あちゃー、そうとは知らず、失礼しましたー
でも、ハイドンみたいな小編成でも50人もいるメンバーのプロフィールまで
全部チェックしてくるのは無理ですから。。
とにかく、コンクールで優勝するような奏者も、オーケストラで弾いているとは感心した。
そのぐらい日本のオーケストラもレベルが上がってきているらしい。
毎年、音大から大量に吐き出される各楽器の卒業生に対して、
オーケストラのオーディションは超難関の狭き門なのだ。

音楽が好きで好きでたまらなくて、それを一生の職業にした
プロ同士のセッションとはどんなものだろう?
年に数度の定期演奏会に命を賭ける学生オケの熱いアマチュア精神と違って、
プロは年がら年中、本番をいくつもこなすのだから、一つ一つの演奏会に
いちいち余分な思い入れを持たず、淡々とそつなくこなす醒めたイメージがあった。

でも、今日のリハーサルはちっとも醒めてはいなかった。
「はい、次は136小節目からやってみましょう」
身体いっぱいで自ら表現して見せながら指示を出す指揮者。
オーケストラの団員も真剣そのもの。
マエストロに対して団員が心からの尊敬と信頼を寄せていることは
その表情と演奏ぶりから伝わってくる。
己の持てる技術と音楽性のすべてを賭けて
マエストロからの問いかけに応えているのだ。
プロ同士の真剣勝負!?両者の気迫が音楽を作っていく。
その過程を見せてもらった。

「オーケストラから最高のパフォーマンスを引き出してくれるんです」

前楽団長が言っていた言葉の意味がわかった。

一方、マエストロ自身はこう言った。

「このオーケストラでは、私もみんなの仲間だという気持ちになれるのです」

ユベール・スダーンと東京交響楽団のラブ・ストーリーである。

週末の本番が楽しみだ。

東京交響楽団 定期演奏会
3月22日 6 p.m.より、サントリーホールにて
指揮 ユベール・スダーン





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最終更新日  2008年03月22日 01時37分01秒
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