朝来にゆかりのある和菓子作り　　田中屋

Nov 12, 2012

田中屋です。笑顔でお客様をお迎えしています。

田中屋のご夫婦

後継者として受け継いできたこと

田中屋は父が創業し、私で2代目になります。私はもともと事務職で会社務めをしていましたが、28歳でこの仕事を手伝いだして、今年で19年になりました。父の指導を受けてやってきましたので、父の作ってきたものを引き継いできています。父の代から心がけていることは、和田山町のお土産として和田山の地域名を和菓子ひとつひとつに付けていることです。そうすることで、和田山の人が和田山をご存じない方に話をするのに、和菓子からイメージしてもらえるとわかりやすいと考えたからです。
最近、朝来市では、天空の城「竹田城」ということで、関西圏では観光名所として有名になりましたが、それよりも前から、当店では竹田城の城跡の石垣を図柄にした「城もち」という最中を作っています。昭和45年ごろから作り始めたと聞いています。ちょっと私の自慢なんです。
父の話では、昭和天皇が但馬巡幸された時に、天皇陛下が竹田城跡の石垣をご覧になって、「きれいだな」と述べられたのがきっかけで、この石垣を全国に知ってもらおうと思って、作り始めたそうです。

これがその城もちです。もちとあんこの相性がとってもいいんですよ。

城もち最中

和菓子の材料

うちの和菓子は餅粉、小豆は国産のものを使用しています。全部国産のものを使うようにしていますが、どうしても揃わない栗などは違いますが、厳選していいものを選んでいます。私が1人で作っているので、数はそんなに作れないんですが、ひとつひとつ手作りが一番のこだわりです。

和菓子作りの思い

これからも和田山町の和菓子を作っていきたいと思っています。例えば、糸井渓谷は大桂をイメージした和菓子です。栃もちは和田山町をはじめ但馬では昔よく食べられていた栃の実と餡子を牛皮のやわらかいお餅に入れて作った和菓子です。栃の実と餡子の相性はバツグンですので、とてもおいしいんです。
和田山町に来られる方が、あそこに行ったら、「あんなお菓子があったよ」、「おいしかった」と言ってもらえるようなお菓子を作りたいと思います。そして、子ども達が大きくなって、都会に出た時に自慢にしてもらえるようなお菓子になれたら幸せです。
お客様から、「また来ました｣とか、「手土産はここのを持っていってるんや」と言われると、これほどうれしいことはありませんね。

これが栃もちです。栃もちの色は毎年変わります。子どもでも食べられる苦味にしてあります。昔はかなり苦かったんです。それが懐かしくて買いに来られる年配の方がときどきあります。

これが栃の実です。栃の実がどんなものかご存じない方のために、お店では展示しています。

トチノミ

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