今年は喪中であまり大手を振って旅行に行きづらかったのもあり、その喪中の大元・義母の好きだった奈良、特に西ノ京に行くことにした。Sにのり移って散策してもらおう?という計画である。前もってまわりに言うと、付いてくると言い出す親戚が多そうなので(笑)ギリギリまで義父にも行先を言わずに準備。
私・妻・息子(自閉症児)の家族旅行なのだが、普通は京都・奈良と定番で行く所を「奈良中心」というしぶい選択になったのは、仏像の奈良、庭の京都…と言われる中、息子の趣味・特技が『葉っぱちぎり』であるということが大いに関係している。
なぜか京都・詩仙堂の庭が目に浮かび、そのお庭で葉っぱをちぎって「ぱあっ」と撒いている息子を想像し…、「京都はどうなるかわからないから、まずは奈良だけだ」となったのである。
朝6時過ぎに朝食抜きで出発して東京発8時の新幹線に乗る。Sは下関帰省で慣れているのでこのあたりの動きは余裕。ただ3人がけの後ろの席のおじさん3名(酔っ払い)があまりにもうるさく、参ったなあと思っていたら20分くらいたつと静かになった。
おじさんたちは3人とも寝ていた(笑)
たぶん旅行に行くのに朝早いから誰かのうちに泊まって、そして朝まで飲んで起きていたのだろうなどと勝手に予想。思わず写真を撮りたくなるほどの寝っぷりだったが、こんなんで盗み撮りだとか言われたら面倒なので時々振り返っては笑うくらいにしておいた。
Sは東京駅で買った駅弁をたらふく食べる。イクラ丼とかすごくうまい。全国駅弁やおにぎりや朝早くてもおいしいものが手に入ることに隔世の感あり。
京都駅に着いた。私はH中の頃、社会科で若手だったので常に修学旅行担当。すると3年に1回は自分の学年で行き、実地踏査(下見)で行き、さらに他学年の応援(生活指導部&運動部顧問として)で行きと、7年間でたぶん6回、公金を使って行っていた。さらに妻と行った、妻の家族と行った…と入れていくとかなりの回数ほぼ毎年行っていたのだが、その後勤務したY中は修学旅行が秋田だったし、その先は講師になって修学旅行には行けないしで、なんと1997年の修学旅行(今30歳になっている学年の人たちとの)以来であった。当時工事中だった京都駅の変貌に驚きつつも、指定席を取った近鉄特急へと急ぐ。
近鉄奈良駅を降りると、かなりの雨である。予報ではそれほどでもなさそうだったのだが、山登りのモンベルの上下で来ればよかった…というくらいの雨である。幸いS用にはケイヨーD2で買った薄くて軽いカッパがあったので着させる。
まず興福寺に向かい猿沢の池を散策し、五重塔をバックに写真を撮り、近鉄奈良駅に戻って中華を食べて…という計画を雨のためにまずすべて差し替えて、今日の感じではSはあまり乗り気でなく、すべての予定はこなせないだろうから「とにかく大仏へ」と東大寺に向けて歩き始めた。
歩くだけでも何かすごく大変なうえに、ビデオとか写真とか撮ろうと思うと何か無理。
暴走したり倒れこまないようにS本人(のリュックのひもなど)を持つ手と、ビデオをとる手、傘をさす手…同時にやるには1本足らない…。妻の持つカメラ以外の画像は何らかの工夫でとれた苦労の結晶。
鹿を恐れぬSがいたずらしすぎないように注意しながら東大寺南大門へ。
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![コピー (1) ~ dc033011.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/89ef0d5b203299fe70fb498f4b675bb208b5a45a.04.2.2.2.jpg?thum=53)
![dc033012.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/1e2ac17a5e1a6c8c3cd89ed9043ff2e3efb6faad.04.2.2.2.jpg?thum=53)
![dc033015.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/4aa4f6dd263a8743dceb95baf974af3cb4474b93.04.2.2.2.jpg?thum=53)
東大寺大仏殿に入ると、傘がいらなくなり少し楽になる。が、もう疲れたのか、たたきに寝そべろうとする男に注意しながらひっぱったり移動させたり、仏像をゆっくりみるのはとても難しい(笑)
今回のSの一貫したスタイルは、仏像をチラ見して前に行き、「のんのん」とうながされると手を合わせ(見事に神社のかしわ手のような音が一発)、何とかゆっくり見ようとする私から逃れようと引っ張りながら移動していくというものであった。
だから順路があって道が細い方が私としては「見たい仏像の前に行きやすい」のでよく、何周かまわれるタイプが最高で、さらにメイン(こういう言い方も仏様に失礼かもだが)のところにイスなどあるとSがそこに座るのでゆっくりできてよいのである。
![dc033030.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/39214985bedf2da52a3bce771cfc872d5dd29e83.04.2.2.2.jpg?thum=53)
![dc033024.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/9890641a3466a9e2617b970474c0bc26f9671649.04.2.2.2.jpg?thum=53)
![dc033021.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/5875c1479b52ba706febc4774c14de84ab191b63.04.2.2.2.jpg?thum=53)
いつもはいそいで飛ばしてしまう東大寺戒壇院(戒壇堂)、妻は家族・親戚で来ると、暑い時期にどんなにつらくてもがんばって行く…ということだったので、私は初めて行った。メインの観光ルートから外れているせいか、人は少なく、それでいてすばらしかった。
そして東大寺ミュージアム。三月堂(修理中)の仏像も一部こちらに来ていた。が、この博物館的な飾り方がSと見るには動きにくく、さらに柱など関係ないところに光る飾り(光背のような模様)をつけるものだから、Sがそれを触って(しかも注意されても離さない)しまったりとさんざんであった。
昼食にそうおいしくない天ぷらうどんを食べた後はなら仏像館(奈良国立博物館から分かれた?)へ。ここは無料のロッカーもあるし、たくさん見られてよかった。ただ何通りも道があるため、すべて見るためにSを連れ歩くと同じところを何度通る羽目になったことか…。似た感じだけど、東大寺のミュージアムよりもなぜかこっちの方が落ち着くムードがあった。買わなかったが、十二神将のクリアファイルなど渋い土産も充実。
順番は変わったが、興福寺に来られた。ここについた頃には雨も小降りに。もちろん興福寺国宝館へ行き、阿修羅ともご対面…ゆっくりしたいがどうもSは小さな仏像にはより興味がないようである(笑) さわれそうな構造になっていると近づこうとするのだが、それはそれでこっちもゆっくりしていられない。
阿修羅の東京出稼ぎ(たぶんもっとちゃんとしたことばがあるだろうが)の時に、みうらじゅんのおふざけによる阿修羅会員に私もなっていたので阿修羅バッジもあったのだが、さすがに本家につけてくる勇気がなく自宅に置いてきていたがつけている人も見当たらなかった。
![dc033048.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/28eb1728419b9903cc88bc75dbcc68ce21ec869d.04.2.2.2.jpg?thum=53)
東金堂(とうこんどう)に行き、猿沢の池方面から駅に向かう。ここらが我が家の限界…と隣りの新大宮駅から宿泊先の奈良ロイヤルホテルに向かう。今思えばおとなしくタクシーに乗ればよかったのだが、周りの店とかも見ようと15分くらいの道のりを探しながら歩いた(結果的には近道で来ていたのだが)ので、各自のイライラがたまり、あと少しだけど道がわからない…という場面で、Sはちょっと切れる!…で、私の胸ぐらをつかんできたのだが、そこは一日仏を見て心穏やかな私…ではなく、「もう切れたいのはこっちだぜ」とちょうど妻にもイラついていた私に当たられて驚いたのか(笑)、また復活して歩き出すと目の前にホテルがあった。
ホテルにチェックイン。こちらは禁煙室のつもりだったのだが、それは勘違い(そのひとつ前にとってキャンセルした方のホテルだった)で、喫煙室になっていた所、いろいろと調べてくれて、「喫煙室だけど煙がこもりにくい広い部屋(ファミリールーム)」に変更してくれた。これがまた快適で本当にありがたかった。
入浴はもちろん大浴場へ。相変わらず我が家は大浴場のあるホテルにしばられている。ここは温泉である。宿泊者は無料。風情はなくて健康ランドみたいな感じだが、なかなかよかった。
夕食は駅からのつらい歩きの途中見つけておいたイタリアンへ。これまたおいしかったのと、隣りの席の家族の関西弁が旅先であることを感じさせて良かった。