|
カテゴリ:旅行
8月17日(木) 今日は雨こそ降りませんが、相変わらずの曇り空が広がっています。 すっきりしない気分です。 昨日に引き続き、建長寺のお話。 場所はまだ、仏殿の中です。 下の写真は建長寺のご本尊、地蔵菩薩像です。 臨済宗の場合、ご本尊は普通は釈迦如来です。 純粋な禅道場としては、日本で最も古い歴史を誇るお寺のご本尊が、 何故地蔵菩薩なのか 日本歴史ミステリーといっては大袈裟ですね。 少し時代背景も含めて、経緯を記しておきます。 時は1219年(承久3年)。 鎌倉幕府第三代将軍の源実朝が暗殺されますと、 嫡子がいなかったことから、お決まりの跡目相続争いが勃発します。 といいましても、この時は幕府と朝廷の争いですから、事はやっかいですね。 簡単に言ってしまえば、 朝廷の支配を強めたい後鳥羽上皇と、 北条家の支配力を強化したい第二代執権北条義時との勢力争いだと思われます。 ざっくりすぎるかな。 別の表現では、平安公家体制と鎌倉武家体制の土地支配における争い。 1221年(承久3年)、後鳥羽上皇は北条義時追討の院宣を出し挙兵します。 しかし、この戦いは後鳥羽上皇側の大敗北。 結果的に鎌倉政権、いや執権北条家の勢力の大幅な伸長を余儀なくされるわけです。 その後、第三代執権北条康時の時代に、 御成敗式目を制定するなど、北条家の足元を固め盤石な体制を作り上げます。 その泰時の次男が、建長寺を創設した第五代執権北条時頼です。 前置き長いな やっと本題に辿り着いた。 時頼は、熱心な仏教信者であり禅宗に帰依していたとされています。 後深草天皇の勅命を受ける形で、 南宋の禅僧・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう・大覚禅師)を開山として、 1253年(建長5年)に建長寺を建立します。 元号を寺の名前としているのは、建長寺と比叡山延暦寺しかないとのこと。 当時の鎌倉が、事実上の日本の首都であったいわれる所以でしょう。 で、建長寺が建立される前、 このあたりは、罪人の処刑場で地獄谷と呼ばれていたそうです。 もともと心平寺というお寺があり、 処刑された罪人を弔うための地蔵菩薩を祀った地蔵堂がありました。 心平寺のご本尊をそのまま受け継ぎ、建長寺のご本尊は地蔵菩薩になったといわれています。 はい、お終い。 この地蔵菩薩像は、室町時代の作だそうです。 仏殿を抜け出して、裏手に建っています法堂に向かいます。 この建物は1825年(文政8年)に竣工(再建)しました。 関東では最大級の木造建築だそうです。 手前には釈迦苦行像、奥には千手観音像が祀られています。 釈迦苦行象は、パキスタン北西部地方のガンダーラ文明の遺産で、 ラホール中央博物館に安置されている像をもとに製作されたものだそうです。 2005年に愛知万博で陳列された後、パキスタン政府より建長寺に寄贈されました。 お釈迦様は、29歳から約6年間に亘って断食と坐禅の日々を送り、 35歳の時に菩提樹の下で悟りをひらきます。 この辺りのお話は奥様の方が詳しそう。 千手観音像です。 この獅子の像の云われは分かりません。 釈迦苦行像の前に置かれていました。 天井を見上げると雲竜の図。 2003年(平成15年)に、 建長寺創建750年記念事業の一環として、 鎌倉に在住していた画家、小泉淳作氏によって描かれた足かけ3年に亘る大作だそうです。 法堂を出て更に進むと、何やら金ぴかの唐門が現れます。 ここだけ見ると、日光東照宮です。 仏殿と一緒に、芝の増上寺から移築されたものだそうです。 やっぱり徳川さんだ。 唐門の傍には、鉢植えの蓮がたくさん置かれていて、きれいなお花が咲いていました。 唐門の前から後ろを振り返ります。 仏殿と法堂の屋根の違いが良く分かります。 近くでは桔梗のお花も咲いていました。 唐門の脇を抜けて、方丈(竜王殿)へ上がります。 方丈から見た唐門の内側です。 方丈奥の庭園です。 開山の蘭渓道隆(大覚禅師)の作庭とされています。 見事に手入れがされていますね。 芝生の上で、小鳥が散歩をしています。 ハクセキレイのように見えますが、頭の辺りに違和感を感じます。 お子様なのかなぁ、今もって種類は不明。 歩き方が面白いのでついついお付合いをしてしまいました。 野鳥に詳しい方、種類を教えてください。 帰りがけ、きれいなフヨウのお花を発見。 雨粒が重そうです。 さて、建長寺は以上です。 ちょうど、鎌倉駅行きのバスが来る時間でしたので、 「鎌倉フリー環境手形」を活用します。 鶴岡八幡宮の横辺りから人が増え始め、 小町通りや若宮大路は人が歩道からこぼれそうです。 静寂の北鎌倉から、混雑の鎌倉へ一気に突入です。 取りあえず鶴岡八幡宮前で下車しますが、あまりの人混みに八幡様はパス。 いつも縁が無いですね。 バスを乗り継ぎ、竹寺・報国寺へ向かうことにしました。 ここから後のことは、明日の日記です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.18 18:02:43
[旅行] カテゴリの最新記事
|