紹介文![下矢印 下矢印](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/h030.gif)
足尾銅山の資本家の言うまま、渡良瀬川流域谷中村を鉱毒の遊水池にする国の計画が強行された! 日本最初の公害問題に激しく抵抗した田中正造の泥まみれの生きざまを描く。
田中正造といえば足尾銅山鉱毒事件、天皇直訴。
でもそういえば、この事件結末がどうなったのかはっきり覚えてませんでした。
田中正造といえば足尾銅山鉱毒事件、天皇直訴。
でもそういえば、この事件結末がどうなったのかはっきり覚えてませんでした。
![tanaka.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/32/0000553232/86/img126bf404zik7zj.jpeg)
この本は直訴後世間の注目を得ることが出来たものの
(本当は直訴にて一挙解決を目指したのかもしれませんが)
被害を訴える住民の土地を”優遇価格”で買い上げ他の土地に移動させるという
政府の安直な解決策に反抗し先祖からの土地を守ろうという住民と
政府の軋轢がかかれています。
もっと簡単に言うとどれだけ住民が政府から嫌がらせを受けて
悲惨な暮らしを強いられたか、が描かれています。
頑強な田中正造亡き後、結局最後まで残った住民も
強制退去させられ廃村になるわけですが
住民にとって田中正造は果たしてヒーローだったのか?と
ちょっと疑問に思うフシもありました。
![tanaka2.jpg](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/32/0000553232/93/imgffd53b29zik9zj.jpeg)
黙っていたら鉱毒の被害を受けっぱなしで何の救済もなかったでしょうから
その点はきっとありがたく思っていたとは思いますが
寒い冬、堤防が修復されていない生でいつ洪水になるかもわからず
ジメジメシした雨漏りのする掘っ立て小屋で空腹を抱え
病人を抱えた家が政府の買い上げに傾くのは当然のこと。
ワタシなら間違いなく日和るなぁ。![ぽっ ぽっ](//plaza.jp.rakuten-static.com/img/user/emoji/a009.gif)
もういいよ・・・。
という思いがなかったとはいえないんじゃないかと思います。
本の中では愛弟子ですら学費を出してあげるから勉強して
故郷の役に立ちなさいという申し出を
正造のためにフイにするとき悔しい思いをしています。
あと、ちょっと感覚的にわからないのが
何故にその土地に固執するのか?
昔のことですから新しい土地に移動するのはどこに言ってもよそ者扱いされるとか
今よりも苦労が多かったのかもしれませんし、
ご先祖様の土地に対する思いも強かったでしょうが
そこまで固執する気持ちがちょっと不思議。
他人のために生涯ささげた正造は信念の人ではあったかもしれませんが
誰にとっても正義のヒーローだったとは言い切れないような気もします。
融通の利かない熱血明治オトコだったことは
間違いないようですけれど。
このあたりの事項を別の視点から描かれた本も読んで
比べて見たいと思います。