紹介文
97本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の遺児がいた。咲、乙彦の二卵性双生児の姉弟。風美は、高校生のときに恋人の庄司と、狂気の光を目にたたえる姉弟とパーティで出会っていた。そののち、「N・P」未収録の98話目を訳していた庄司もまた自ら命を絶った。その翻訳に関わった3人目の死者だった。5年後、風美は乙彦と再会し、狂信的な「N・P」マニアの存在を知り、いずれ風美の前に姿をあらわすだろうと告げられる。それは、苛烈な炎が風美をつつんだ瞬間でもあった。激しい愛が生んだ奇跡を描く、吉本ばななの傑作長編。
【中古】【角川書店「NP」著者:吉本 ばなな】中古:ほぼ新品
吉本ばななの本の中では結構好きな本です。
何回も読んでるはずですが今回再読。
なんで好きなのかって言ったら主人公が夏大好きで、夏が始まるワクワク感とか夏の高揚した感じや夏の夕方のムッとするくらいの濃厚な空気がそこここに挿入されているから。
ストーリーもほかの本に比べて登場人物がちゃんと働いているまっとうな人々なのでイラっとしないし。
あなた達、結局くっついちゃうの?ということをにおわせた終わり方は残念だったけど。
あと、ハーフで美しい双子と外国育ちのその異母姉という強烈な個性を持つ人たちが揃いも揃ってとりたてて特別なところがあるとは思えない主人公に魅かれて心を開くってのが突然すぎるきらいがあるので主人公ももっと魅力的な人だって描写があったらよかったなー。
文章中にもあるけど、18歳の夏のような強烈な夏の思い出的な一冊。
激しい愛、なのかどうかは伝わってこないんだけど残念ながら。
でも夏休みに読みたい一冊です。
しまった読むのちょっと早すぎた。(まだ春)
こーゆーセンス好き