|
カテゴリ:文芸評論
回春願望?
世界的レベルの文学者である著者は、本能と願望に忠実だった。 この作品は、老著者が新しい境地に挑戦したというよりも、自らの願望を、そのまま小説にしたという印象だ。 高齢の方の性を、決して批判しようという気は無い。 老いてもなお、お盛んというのも、元気があって良いとも思う。 しかし、この作品は違う。 老いてしまって、元気が無いのだ。 それでも、裸で眠らされている若い美女を抱く。 そして、過去の思い出に浸る。 延々と続く美女を抱く描写は、リアルで、かつ細緻だ。 この描写には、心をとらえて離さない魅力がある。 解釈の難しい作品だ。 少なくとも、回春願望がストレートに表出されている。 著者の自殺の真相は、絶筆となった本作品の中に隠されているのかも知れない。 著者の筆は大変美しく、そして哀しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月03日 02時13分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[文芸評論] カテゴリの最新記事
|