続・「「日本人の上司は部下を殴るのか?」と聞かれた
UFJ三菱銀行深セン支店で起きた、日本人上司による中国人部下平手打ち事件について、友人から、 「日本人の上司は部下を殴るのか?」 とストレートに聞かれ、昨日のブログで、なぜかギクっとした、と書きました。 今日、日本にいる友人からこのブログを見たらしくメールが来ました。 「中国人って怖いね。大丈夫?」 という、日本人ひとりで中国人に囲まれ仕事をする自分を気遣う内容で、大変有難かったのですが・・・ 「中国人って怖いね。」 というのを見たとき、何となくモヤモヤしていた 「ギクリの正体」 が分かりました。 昨日も書きましたが、 この事件について、 当然当事者ではないので、 ○日頃の彼らの関係がどうなのか ○日本人上司がどういう態度で日頃中国人部下に接しているのか ○中国人部下は日頃どんな勤務態度なのか まったく分かりませんし、 詳しい報道もされておらず、状況さえ掴めません。 なので、「何がなくても暴力はいけない」という当然の理論は置いておいても、肝心な理由さえまったく見えてきません。 に、も関わらず、 また、 常日頃中国人に囲まれている自分でさえ、 頭のどこかで、この中国人部下のことを 「もしかしたら日頃ミスを認めず、言い訳ばっかりしてるのかな。」 などと無意識に考えてしまった自分がいたのです。 きっと、言葉があまり通じず、通じていたとしても、中国で働く日本人は少なからず、中国人に対してこういうイメージを持っている人もいるのではないでしょうか? そして、この事件を見たときに、無意識のうちに、自分の周りにたまにいるこういうマイナス面を持った中国人を想像し、この事件の中国人部下もそうだと想像してしまう可能性もあるのではないでしょうか。僕もまさしくそうでした。 周りには同じく、そうではない中国人同僚や部下、上司も居るのにも関わらず、です。 一方、これは中国人側にも同じことが言えるのだと思います。 僕の友人はもちろん日本語も話せませんし、周りに日本人の友人はいないようです。 そういうごく普通の平均的な中国人がこのニュースを見たり、聞いたりしたときに、彼らのイメージするマイナスの日本人像が、 ○乱暴 ○横柄 ○中国人を下に見ている と重なり、 「やっぱり日本人は嫌いだ。」 となるのではないでしょうか。 誤解を恐れず言えば、僕の少ない経験から見ると、大概の中国人は日本人が好きではないと思っています。 中国人である嫁、そして友人たちが、みな口を揃えて、 「俺は日本人好きだよ。」 とか、 「私は別に日本人に対して何とも思ってないよ。」 と言うのが証拠です。 嫁も含め、彼ら友人たちは 周りの中国人たちは、 「本質的に日本人を好きではない。」 ということを知っているのです。 なので、この事件を起こした日本人上司がどんな人であるのか、というのは、もうそこにはどうでもいいことになってしまいます。 昨日、友人に、 「日本人の上司は部下を殴るのか?」 と聞かれ、ギクっとしたのはまさにこれなのです。 お互いの国が日頃人によって大なり小なり抱いている、マイナスのイメージがこういう事件をきっかけに噴出したりするとすれば、それは不幸なことだと思います。 <中国で生活する日本人> 中国で生活して、本当は中国のことを深く知りもしないのに、たった数年中国人と仕事をし、中国で生活しているだけで出来上がる中国人のイメージ。<中国で生活する中国人> 日本のことを理解するのは、中国で報道される内容のみ。 どちらにしろ、理解が偏るのは仕方ありませんが、 せめて、<中国で生活する日本人>として、 反省すべきことは反省し、謙虚に、でも主義主張をしっかりもって、中国人と対峙していかなければいけないな、と思いました。 僕は日本人だけど、「日本人」と一括りにされたくないように、彼らも同じはずです。 「相互理解」 などというと、きれいごと過ぎて好きではないですが、知ったかぶりをせず、やっていきたいな。 そして知ったかぶりをされないよう、自分も襟を正さなければならないな、と思いました。 でも、上に散々書いた「マイナスイメージ」ってこと自体、自分だけの価値観で相手の行動を「マイナス」と捉えているだけなんですよね。 相手の行動や思想の背景にあるものを考えず、自分が思う価値観に置き換えて、「マイナス」にしてしまっている自分こそ、もっともダメだと、つくづく思いました。 とほほ。 ↑あなたのワンクリックにより、ワタクシは自己満足にどっぷり浸れます。