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☆晩鐘 (続・泣きの銀次)・宇江佐真理 ・講談社 ・2007年11月15日第1刷発行 「泣きの銀次」、「晩鐘」、「虚ろ舟」の2番目の作品。 坂本屋銀左衛門、通称泣きの銀次が表勘兵衛に十手を返上して10年。銀次は不惑を迎えていた。かつて、坂本屋は小伝馬町に店を構える大店だったが、2度の大火に見舞われ、今は江戸橋近くの仕舞屋へ移り小売りの店を開くのが関の山だった。 触れ売りの途中雨に降られた銀次は、空き屋敷の前で雨宿りをしていた。その家の中からうめき声がするのが聞いた銀次は、拐かしにあいその屋敷に閉じ込められていた娘を助けた。娘の名はお菊といい、かつて習いごとの帰りに襲われて死んだ妹と同じ名だった。 その後菊はたびたび店を訪ねてくるようになり、「あの男を捕まえてください。あの男を捕まえられるのは親分しかいない」と、銀次に深々と頭を下げた。かくして銀次は、ふたたび勘兵衛の元で十手稼業に戻ることになったのである。 菊が閉じ込められていたあき屋敷を調べていた慎之介が耳寄りな情報を持って来た。娘が連れ込まれた屋敷の持ち主と親しい間柄の旗本は、野口伝左衛門という男で、怪しいのはその27になる長男だという。素行が良くなくて家督は次男が継ぎ隠居扱いになっているという。 我が子を世継ぎにしたいばかりに、邪魔な後継の長男を人間性を失わせるまでいじめ抜いた浅はかな継母。そしてその女に溺れた父親。全てを失う日が来るとはつゆ知らず・・・。 ♣︎銀次 =40歳。坂本屋(小間物問屋)の当主。 ♣︎お芳=銀次の女房。10年ほど前、勘兵衛の小者だったお芳の父親の弥助は当時世間を騒がせていた下手人に切られて死んだ。 ♣︎長女=おいち、次女=おつぎ、三女=おさん、末っ子=盛吉。 ♣︎表勘兵衛=臨時廻り同心。50歳 ♣︎表慎之介=勘兵衛の長男、例繰り方同心 備後屋=絵草紙屋 ♣︎菊=銀次が助けた娘。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.12 20:46:53
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