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カテゴリ:読後感あれこれ
東京都内に居を構える緋田家の当主・龍太郎は72歳。歯科医を引退し悠々自適のはずが、 老妻・春子、三十路過ぎて庭の物置に引きこもりの長男のほか、 夫が事業に失敗し実家に舞い戻った長女一家3人、離婚後に子供を宿した高齢妊婦の次女、 そして認知症の実母とともに、一つ屋根の下、暮らすことに。 家族のあれこれ知っていますか。父が、母が、子が、祖母が。4世帯家族の混線連作小説集。 あんまり期待しないで読んだら、案外と面白かった。 家族一人一人の立場から一話を書いて、独立した短篇になっている。 全部合わせ読むと、まさに平成大家族の生活記録 家族の増減に合わせて部屋の移動をさせられ、 「私は変ってないのに、部屋の中が変った」と首をかしげるおばあちゃん。 引きこもりの長男の恋愛による自立、 長女の子が転校先でイジメを避ける苦心のさま。 未婚の母になる次女。 あまりうろたえず見守る母親は、近所のやもめ男に労わられ ことを荒立てるのが苦手な父親。 内心では始終(なんということだ・・・)忸怩たる思いが絶えない人。 物語の主役にはなれない父親だが、不思議と存在感はあり このお父さんがいないでは、「平成大家族」にはならないのがわかる。 昭和の大家族風景とは違って、自己を持つ家族たち。 さらりと書いているが現実的。(なるほどねー) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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