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2018.05.05
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ 『リベラルという病』は、私にとって衝撃的な内容だったが、
 本著は、それに勝るとも劣らぬほどの衝撃を与えてくれた。
 「なるほど、そういうことだったのか」と目から鱗が落ち、
 そして、「全然わかってなかった……」と痛感させられた。

 本著を読めば、なぜイギリスで国民投票によるEU離脱が決定したのか、
 なぜアメリカで泡沫候補とされていたトランプが大統領になれたのか、
 なぜ大阪で橋下徹が圧倒的支持を得ることが出来たのかが分かる。
 もちろん、ポピュリズムの起源とその進展も。

   ***

  近年の欧州におけるポピュリズム政党の台頭や、
  EU離脱をめぐるイギリスの国民投票、
  2016年のアメリカ大統領選挙で露わになったのは、
  既存のエリート層、エスタブリッシュメント(支配階級)に対する、
  「下」の強い反発だった。
  グローバル化やヨーロッパ統合を一方的に進め、
  移民に「寛容」な政治経済エリートに対し、
  緊縮財政や産業構造の空洞化などの痛みを一方的に負わされ、
  疎外感を味わう人々の反感が、
  現在のポピュリズムを支える有力な基盤となったのである。
  ポピュリズム勢力は、既存政治から見捨てられた人々の守り手を任じ、
  自らを「真の民主主義」の担い手と称しつつ、
  エリート層を既得権益にすがる存在として断罪することで、
  「下」の強い支持を獲得している。(p.9)

これは、本著のスタート部で出てくる一文だが、
本著全体について、概観を述べる内容となっており、
「エスタブリッシュメント」「グローバル化」「移民」
「疎外感」「既存政治」等々、本著でキーとなる言葉が散りばめられている。

  しかしポピュリズム政党は、党組織が弱い反面、政党や団体に属さず、
  既成政治に違和感を持つ人々を広くターゲットにするところから、
  テレビをはじめとするメディア露出を重視する。
  弁舌巧みなリーダーによる、既成政党に対する容赦ない批判、
  「タブー」を破る発言を通じ、
  メディアの飛びつく話題を自ら提供することで、
  メディアの注目を一身に集めようとするのである。(p.68)

この最たる例として、著者は、ウィルデルス率いるオランダの自由党を挙げている。
そのウィルデルス登場前に、メディアから注目されていたのがフォルタイン
が、日本に住む私たちは、他国の別の人物や政党を真っ先に思い浮かべるに違いない。
しかし、彼らは特別な新しい存在ではなく、実は先例となる人物が他国に既にいたのだ。

  既成政治に対する批判、不満の表明は、
  それが法治国家の枠に収まる限りにおいて、意味を持ちうる。
  しかし実際には、安全弁だと思っていたポピュリズムが、
  かえって制御不能なほどに水を溢れさせるリスクもある。
  現代のデモクラシーは、
  ポピュリズムを巧みに使いこなせるほど成熟しているといえるのか。
  慎重な見極めが必要だろう。(p.230)

第二次世界大戦や太平洋戦争へと突き進んだ人たちを、声高に批判する私たちだが、
イギリスのEU離脱を決定した国民投票や、トランプを大統領に選出した選挙結果は、
後の時代に住む人たちに、どのように評価されるのだろうか。
現在世界を席巻しつつある大きなうねりが、批判されることにならなければよいが……





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Last updated  2018.05.05 18:36:44
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