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Headline News

2018.04.01
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ 本著に記されている様々な事柄は、
 私自身にとってかなり衝撃的な内容で、目から鱗のオンパレード。
 アメリカという国について、自分が何も分かっていなかったと痛感させられました。
 今回、こうして本著を手にすることが出来て、本当に良かったと思います。

 大統領選で、なぜトランプがヒラリーを破って勝利することが出来たのか、
 ガキ使の「黒塗り」が、なぜ海外から想像を超える大問題として指摘されたのか、
 それらの背景がよく分かりました。
 国内政治の諸事情についての記述も、たいへん興味深いものでした。

   ***

  そう考えると、アメリカにおける信仰の最大勢力と言えばキリスト教、
  それもプロテスタントを指すことになる。
  そして、宗教に熱心なのは
  建国以来のプロテスタントの伝統を重んじるコンサバ共和党で、
  逆に宗教から自由なのはリベラル民主党、というのが一般的な理解だ。(中略)
  だが、それは早計かもしれない。リベラルにはリベラルなりの信仰があり、
  しかも、彼らはとても熱心なのだ。(中略)
  では、リベラルの信仰とはなにか。それは「人種間の平等」である。(p.19)

「リベラル」とは何か?
その真の意味合いを、実に端的に示してくれています。

  人間の平等という主張は、大義名分を持ちやすい。
  それに真っ向から反対するのは常識的には難しく、
  実際に多くの真っ当な政治家はチャレンジすらしてこなかった。
  そこを「逆張り」して、
  表立っては誰も口にできなかった移民差別や女性差別を堂々と主張し、
  泡沫候補から大統領に躍り出たのがトランプだったのだろう。(p.32)

そして、次の記述により、
なぜ、トランプが大統領になったかが明らかになります。

  ところが、建前と本音のあまりの開きに、アメリカは、今、きしみはじめている。
  リベラル信仰が行きわたったこの国は、本音ではおそろしいほどの差別主義だ。
  その落差に耐えられない人々が、
  そこに正面から切り込んだトランプ大統領を選んだ。(p.65)

この現実や空気感を、日本にいる私たちは、感じ取ることが出来なかったのでしょう。
日米における「ポリティカル・コレクトレス」格差もそのひとつ。

  公立学校の教師は、偏見を持った人物であってはいけない。
  公務員は、人種差別的発想をしてはいけない。
  一見ごもっともな言説だが、一定の制限が許される「表現」に対して、
  「内心」は絶対自由であることが憲法上の原則。
  そこにも制限が及ぶとなると、これは逆に恐ろしい思想統制にもなる。(p.52)

この部分は、かなり重要で重大な指摘だと思いました。
「思うこと」や「考えること」自体が統制される……とても怖いことだと思います。

  リーダーの資質というのは、その知的能力にはない。
  知的に秀でた者をいかに巧みに使うかにある。
  その意味で、ウォレンのリーダーシップは群を抜いていた。
  ブレナンという抜群の理論家を自らの片腕に、
  ウォレンは最高裁での議論をリードした。(p.85)

劉備の例を引くまでもなく、これは正しい。
あのアウグストゥスですら、そうなのだから。

  古くからある血縁主義は核家族モデルという社会規範を作り上げた。
  生殖補助医療の発達に伴って、
  1990年代から意志主義が重要な役割を果たすようになった。  
  そして同性カップルの子育てが増えるにつれ、
  2000年代以降は機能主義が注目を集めている。
  このように社会の多様化とともに、家族の定義も多様化してきた。(p.153)

これも考えさせられる指摘でした。
「家族」という概念が、ここまで変わってきているとは……。

  私達日本人の底には、人知を超えるものへの畏怖が根付いているではないか。
  明確な信仰や言葉の形を取らないものの、長い歴史の中で、
  自然への謙譲が育まれていったと考えても誤りではないだろう。
  人間の理性を信じ、理想と正義を掲げ、民主主義を理解しない野蛮な国を折伏し、
  ひいては自然まですべてをコントロールしようとする。
  アメリカのリベラリズムは、我々にとっては、
  建国から短い歴史しか持たない国ゆえの、独善と傲慢に映りかねない。
  この感覚が、アメリカ民主党に対する
  「正論を振りかざして、話を聞かない」という批判になり、
  共和党へのシンパシーにるながるのではないか。(p.198)

「正論を振りかざして、話を聞かない」。
正論なので、正面切って反論しにくいものの、何か引っかかる。
それを、どう具現化していくのかも見えてこない。
「リベラリズム」というものに対して、私たちの抱く感情を上手く指摘しています。





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Last updated  2018.04.01 17:59:56
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