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Headline News

2020.01.26
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ 読み終えた時、久々に付箋だらけになってしまいました。
 よく売れたのも頷けます。
 私たちが、いかに思い込みにとらわれているかに気付かされます。
 誰もが読んでおくべき一冊です。

   ***

  いったいなぜ、金持ちと貧しい者のあいだに分断が存在するという考え方が、
  ここまで根強く残っているのだろうか。
  わたしが思うに、人はドラマチックな本能のせいで、
  何事も2つのグループに分けて考えたがるからだろう。
  いわゆる「二項対立」を求めるのだ。
  良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。
  世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれない。
  しかも双方が対立していればなおドラマチックだ。
  わたしたちはいつも気づかないうちに、世界を2つに分けている。(p.050)

著者は、「多くの場合、実際には分断はなく、
誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいる」(p.059)と述べています。
分布を調べ、2つのグループの重なりに注目するという姿勢は、とても大切ですね。
また、高いところから低いところを正確に見ることの難しさも、指摘の通りでしょう。

  人々が「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みから
  なかなか抜け出せない原因は「ネガティブ本能」にある。
  ネガティブ本能とは、物事のポジティブな面よりも
  ネガティブな面に気づきやすいという本能だ。
  ネガティブ本能を刺激する要因は3つある。
  (1)あやふやな過去の記憶、
  (2)ジャーナリストや活動家による偏った報道、
  (3)状況がまだまだ悪いときに、
    「以前に比べたら良くなっている」と言いづらい空気だ。(p.083)

良い出来事はニュースになりにくく、悪いニュースの方が広まりやすい。
悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない。
過去は美化されやすく、「悪い」と「良くなっている」は両立する。
これらの著者の指摘も、大いに頷けます。

  メディアはメディアで、わたしたちの恐怖本能を利用せざるを得ない。
  恐怖本能を刺激することで、あまりにもたやすく、
  わたしたちの関心を引くことができるからだ。
  特に2種類の恐怖を同時に煽ることできれば、効果はバツグンだ。(p.137)

あなたのもとには恐ろしい情報ばかりが届いている。
そのため、世界は実際より恐ろしく見えてしまっている。
リスクは「危険度」×「頻度」で決まるのであり、恐ろしさでは決まらない。
パニックに陥らず落ち着いて行動しよう、という著者の言葉には説得力があります。

  メディアは過大視本脳につけこむのが得意だ。
  ジャーナリストたちは、さまざまな事件、事実、数字を、
  実際よりも重要であるかのように伝えたがる。
  また、「苦しんでいる人たちから目を背けるのは、なんとなく後ろめたい」
  と思う気持ちを、メディアは逆手に取ろうとする。(p.167)

「過大視本脳を抑えるには、比較したり、割り算をするといい。」(p.185)
数字を、それ単体だけ見て終わりにするのではなく、
全体の中で、その意味しているところを、正確に理解しようということでしょう。
「80・20ルール」も使えると思いました。

以上、本著で示された「分断本能」「ネガティブ本能」「恐怖本能」
そして、「過大視本能」の部分についてまとめてみましたが、
これ以外の、「直線本能」「パターン化本能」「宿命本能」「単純化本能」
「犯人捜し本能」「焦り本能」も、本当に納得できるものばかりでした。

何かの情報を得たとき、
「自分はその情報を正しく受け止め、判断できているのか?」と、
今一度、立ち止まって考えてみることの大切さを本著は教えてくれました。
様々な情報が飛び交う今だからこそ、価値ある一冊だと思います。





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Last updated  2020.01.26 11:50:48
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