770450 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Category

Archives

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619@ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593@ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist@ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist@ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist@ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…

Headline News

2020.05.16
XML
カテゴリ:社会・政治・時事
​ 著者は、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授の斎藤環さん。
 ひきこもりの問題に、長く関わり続けられている方です。
 そして、本著で扱われている「ひきこもり」の定義は、
 次の2つがベースとなっています。

  (1)6か月以上、自宅にひきこもって社会参加をしない状態が持続すること
  (2)ほかの精神障害がその第1の原因とは考えにくいこと

15~39歳の若者だけを対象とした2016年の内閣府調査では、
全国に54万人のひきこもり状態の人がいると推計されました。
そして、40~64歳を対象とした2019年の内閣府調査では、
全国に61万人ものひきこもり状態の人がいると推計されたのです。

前回の調査と合わせると、その総数は115万人となりますが、
著者は、地方における調査結果からすると、
中高年のひきこもりは少なくとも100万人、全体では200万人になると指摘。
80代の親が50台の子を世話せざるを得ない「8050問題」が発生していると言います。

   ***

  しかし不思議なことに、自宅の近所には外出できないのに、
  家族と一緒に海外旅行に出かけるのは平気な人もいます。
  なぜかというと、彼らは「自宅の外」の世界そのものが怖いわけではなく、
  外にある「世間」が怖いからです。
  たとえば近隣住民の視線は怖いけれど、
  日本人のいない海外にはそういう「世間」がないので怖くない。
  だから、同じ海外旅行でも日本人と一緒のパックツアーを嫌う人は多いのです。
  そこで初めて出会ったとしても、日本人のグループはすぐに
  「世間」のような雰囲気が生じてしまうからです。(p.61)

これは分かる気がします。
確かに、自分の存在や行動を何かにつけジャッジしようとする目、
即ち「世間」が気になって、外に出ることが出来ないのでしょう。
そして、自分に自信がないから、そのジャッジはネガティブなものとしか考えられない。

  言葉というのは「誰が言うか」によって意味合いが違ってくるのでしょう。
  親や医師が同じことを言ってもうんざりするだけなのに、
  同世代にそう言われるとモチベーションが上がることがあるのです。(p.134)

これも、とてもよく分かります。
誰が、どんなタイミングで、どんな風に語り掛けるかで、
同じ言葉でも、伝わり方は全く違ってしまいます。
どのようにすれば相手に響く言葉になるか、それを考えることが大切ですね。

  ひきこもりの人は自分の人生を失敗だと思い込んでいますが、
  それを「自分のせい」とばかりは考えません。
  この辛い現状は、多少は自分のせいでもあるにせよ、
  おもな原因は親にあると考えがちです。
  そういう視点で親がやってきたことを思い返せば、
  その中から「原因」を探すのは難しいことではありません。(中略)
  過去の不本意な出来事を、すべて現状の原因だと決めつけてしまうわけです。
  そんな事実はないのに、
  親から虐待されていたかのように思い込んでしまう人もいますから、
  親にしてみれば理不尽な話でしょう。(p.147)

これは、双方にとって、とても辛い現実です。
だれもが、苦しい現状から逃れようと、その原因を探そうとするのですが、
そのことばかりとらわれ過ぎると、こういった状況に陥りかねないことを、
私たちは、しっかりと心に留めておく必要があります。

  成熟とは一般に、何かを失い、諦めていく過程でもあります。
  それゆえ成熟を忌避する人も少なからず存在します。
  成熟しないことが許される社会で、
  未成熟さにとどまる人が増加するのは自然なことです。(p.203)

これも、よく分かります。
成長する過程で、現実と自分自身をより正確に把握、理解出来るようになり、
その中で、現実に即して、自分自身をよりベターな方向へと推し進めていく。
そのことを躊躇すれば、そこから先へは進んでいけません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.05.16 12:03:02
コメント(0) | コメントを書く
[社会・政治・時事] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.