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2022.01.10
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​ 著者は、あの「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発し、
 高齢者痴呆介護研究・研修東京センター長、そして聖マリアンナ医大理事長として
 「『痴呆』に替わる用語に関する検討会」の委員を務めた長谷川和夫さん
 まさに、この分野における我が国のパイオニアと言える人物です。

 本著では、認知症の概要や、それに対する我が国の取り組みの歴史、
 さらには「長谷川式スケール」の開発過程等も紹介されていて、
 さすがに、第一人者が書かれたものだと感心させられます。
 私自身、本著で初めて知ったことも少なくありませんでした。
 
しかしながら、やはり本著最大の特徴は、著者自身が認知症になったことで、
医療者の立場であった著者が、現在は認知症患者の立場からも認知症を見つめ、
そこで分かったことを、医療者と患者の双方の視点から記述しているということ。
そのため、本著に記されている一文一文には、他の書物にはない重みがあります。

  夕方から夜にかけては疲れているけれども、夜は食べることやお風呂に入ること、
  眠ることなど、決まっていることが多いから、何とかこなせます。
  そして眠って、翌日の朝になると、元どおり、頭がすっきりしている。
  そういうことが、自分が認知症になって初めて身をもってわかってきました。
  認知症は固定したものではない。変動するのです。
  調子のよいときもあるし、そうでないときもある。
  調子のよいときは、いろいろな話も、相談ごとなどもできます。(p.67)

さて、先述したように、本著では認知症に対する我が国の取り組みの歴史も記されていますが、
その中にある介護保険についての記述の中には、次のようなものがありました。

  2015年には、「地域包括ケアシステム」の構築をめざすなかで、
  認知症の人の意思が尊重され、
  できるかぎり住み慣れた環境で自分らしく暮らし続けることができる社会をめざして
  「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」が策定された。(p.144)

「できるかぎり住み慣れた環境で自分らしく暮らし続けることができる社会」、
私も、その実現を心から願っていますが、「住み慣れた環境」については、
最終的にどこかで断念せざるを得ないことを、心に留めておく必要があると思います。
子供や医療・介護者等の側にいることを求められる日が、いつか訪れることになるのです。

  キッドウッドは研究で、認知症の人をよく観察し、
  よい状態をもたらす質の高いケアの重要性を指摘した。
  その一方、よくない状態を促進し、本人の尊厳を損なう行為として、
  子供扱いする、騙す、できることをさせない、無視する、
  急がせるなどがあるとした。(p.172)

「子供扱いする、騙す、できることをさせない、無視する、急がせる」、
介護する立場の者が、分かっていてもしてしまいがちな行動です。
特に「急がせる」、そしてそれに伴う「できることをさせない」。
時間や心にゆとりがないと、さらに悪循環に陥ってしまうのです。





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Last updated  2022.01.10 14:51:14
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