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カテゴリ:社会・政治・時事
「はじめに」に著者の磯田さん自身が書かれているように、
大河ドラマ『どうする家康』を観るのにピッタリの案内書。 家康に大きな影響を与えた織田信長、武田信玄、豊臣秀吉との関りを軸に、 天下統一までの歩みが描かれています。 *** 武田軍と戦うなかで、家康は敵の戦術、戦略を学び取っていきます。 さらに武田家が滅亡すると、その遺臣たちを招き入れ、 自軍の主力部隊にすえて、戦闘力を高めます。 家康と三河の武士団は、サバイバルのために、同盟者・信長の高い要求に応え、 強敵・武田から学ぶなかで、「共進化」を遂げて、 いつの間にか、化け物のように強くなっていったのです。(p.40) まさに、これから大河ドラマで描かれようとしている時期についての記述であり、 「井伊の赤備え」や、松平信康や織田信長、明智光秀に深く影響を及ぼした武田の諜報戦が、 どのように解釈され、ドラマとして展開していくのか、とても楽しみですね。 そしてこの後、著者はさらに次のように続けています。 織田、武田、今川といった強大な勢力に囲まれ、 必死のサバイバルを続けてきた家康は、つねに不安のなかで生きてきました。 本当の安心を得るには、松平家が天下の家となるしかない。 「巻き込まれ人生」の果てに、異常な進化を遂げた家康たち徳川家は、 はからずしも天下を取るしか行く道がなくなってしまったと、私は考えています。(p.41) 「なるほど」と、納得させられる一文でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.28 15:24:58
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