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ボンジュール・ド・パリ

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Jul 30, 2007
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久しぶりに本の話。
今、続きで読んでる本があるのですが途中まで読んだところで次の巻が在庫切れ。その間をどうしようか・・・と思ったところに最近読みたいなと思った本のことを思い出しました。

ほんとに便利な世の中になったもんで、ほんのちょっと前までは海外に住んでしまったら高い日本語新聞を買うしか日本のニュースを知るすべはなかったでしょうけれど、今はネットがあるので日本で何が起こっているのか、大抵のことはわかりますよね。私も毎日、日本で気になるニュースはチェックしています。

そこで最近非常に気になったニュースは京都であった事件。
奥さんが睡眠薬を飲まされて眠っている間に子供が殺されたというもので、犯人はそのお父さん。
そのお父さんは奥さんに毎月給料と称して30万円渡していたが、実はそのお金は同居している実母からもらっていたもので、実はもうすでに3年以上無職だったという話でした。

これで思い出したのが前に見た映画、"L'ADVERSAIRE"。

adversaire

学生の頃から「彼は出世するだろう」と誰もが思ったジャン・クロード・ロマンはWHOで研究者として働き、さらに地方の大学で教鞭もとる。そしてパリの病院からも招聘を受け・・・というキャリアを重ねる一方で、家庭ではよき夫よき父親と、恵まれた人生を送っていたのだけれど、この人がある日、妻と子供を殺し、さらに自分の両親も殺してしまう。

そこで警察の調べですぐ明るみに出たこととは、なんと彼が勤めていると言っていた勤務先の職員名簿に彼の名前はなかったということ、さらに皆がドクターと呼んでいた彼は大学すら卒業できていなかったということだった。

・・・というなんとも不可解なダニエル・オトゥイユ主演の映画でした。

これ、実際に起こった話なんです。

大学2年の終了試験にどういうわけだか行けなくて、それから22年間嘘で固めた人生を送った男。
映画では行ってくるよと家を出てから、大型スーパーの駐車場にひっそり車を止めて一日中、車内で本や雑誌を読み、サンドイッチをかじって夕方まで時間を潰すこの人の姿がなんとも印象的でした。

ある日突然解雇されてそれを家族の者に言えず、いかにも毎日会社に行ってるように振舞うお父さん・・・こういう話はときどきありますが、まさか一度も働いたことがなく20年以上も嘘を通し続ける・・・。こんなことが実際に可能なのか。

事実、殺人事件を起こすまではバレていなかったのですから、可能なんですね・・・。

映画を観てから本を是非読みたいと思いつつ、そのままになってました。
それを京都の事件で思い出したわけです。

それで今度こそ是非読みたいと思って同名原作本を手に取りました。

もともと非常に興味深い話なんですが、読み始めると映画では描かれていなかったエピソード満載で、つい夢中になり気が付いたら3日で読み終わってました・・・。

大学2年の試験が受けられなかったこと、これがなぜ言えなかったのか。
この時友達や親に話していたら、こんなことにはならなかったんでしょうに、結局ここで嘘・・・と言うか、いかにも3年生に進級したように振舞ってしまったのが始まりで、その後はすべて嘘を嘘で固めることになってしまった人生。

どう考えても事件まで嘘が一万も十万もありそうなんですが、それが一つもバレなかったというのは怖い話ですよね。

どんな嘘をついて、どうやって過ごしていたか、ほんとは彼が語ったことも全部本当じゃないのかもしれませんが、とにかく次々に読まずにはいられない内容でした。

日本語でも「嘘をついた男」というタイトルで訳本が出ているようですのでご興味のある方はどうぞ↓



で、おっと思ったのが同じ作者で"LA MOUSTACHE"の訳本も出てるみたいですね。
こちらはある日長年蓄えていた髭を剃ったのに、奥さんにも長年の親友にも毎日顔を合わせる同僚達にも気付かれないという話。最初は皆冗談で気付かない振りをしているのかと思ったが、どうやらそうではない。で、「自分はほんとに髭を生やしていたのか?」という疑問が湧く・・・というミステリアスな話。これも映画化されてます。



・・・と少し話がそれてしまいましたが、嘘をついた人の話、まさか、すごいなと思う一方で、なんとなく魔が差したらこういうこともあるかもみたいなちょっと理解できなくもないような気持ちもあるんですよね。ほんとに怖い話でした。

あ、でも私は実在の人物で、ちゃんとパリに住んでますのでご心配なく(笑)。


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Last updated  Jul 31, 2007 06:58:11 AM
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