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カテゴリ:仕事術
頭の良さには「物知り」「機転が利く」「地頭がいい」の3種類があり、
本書で取り上げるのは3つ目の「地頭」である。 「地頭がいい」とは思考能力が高いことである。未知の領域で問題解決をしていく能力で、過去の経験が未来の成功を保証するとは限らない現代において重要な能力である。 今はインターネット社会なのでたいていのことは調べれば何でも答えが出てきてしまう。 しかし単に物知りなだけではAIで事足りるし、自分で思考して問題解決をしていくというプロセスが無いから考えない人間になってしまう。 また、何でもすぐに答えを求めようとする人間を生み出している。 地頭力は「仮説思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」の3つからなる。それぞれ、「結論から」考える力、「全体から」考える力、「単純に」考える力である。地頭力向上のために使われる手法「フェルミ推定」を本書では紹介している。 情報が少ない中から仮説を立てて、全体を俯瞰して、単純化して考える手法である。 知識に頼ろうとする人は途中で情報が足りないとすぐにギブアップしたり、言い訳する。 また、間違った答えを出すことに臆病になってしまう。 ビジネスにおいても、言われたことを完璧にならないとアウトプットできない人は、今後AI に取って代わられてしまう。 ●仮説思考力ビジネスにおいても、少ない情報である程度の「あたり」をつけなければならないことがある。 精度は低くても方向性を出すために今の状況を報告することは重要である。 例えば、人気のお店に行って行列ができていたとする。 最後尾には案内役の店員がいて「大体どのくらい並びますか?」と聞いたら返ってきた答えが「さあ、中のお客さんによって変わるので何とも言えませんね」だったらどう思うだろうか? 大体でいいし多少違っててもいいから時間を教えてくれよ、と思うだろう。 店員ははっきりとした時間はわからなくても、客よりは確かな情報を持っていて大体の「あたり」は付けられるはず。 そういうことである。 ●フレームワーク思考力まず全体を客観的な視点でみること。(ズームイン) 全体俯瞰力が弱い人はいきなり自分の視点から始めて、必要に迫られて思いついたように全体像に拡げていく「ズームアウト」なので、話を聞いた人はどこの話をしているのかわからない。 また、自分の視点で話すことにより言葉の定義も個々によって違ってきて、コミュニケーションに問題が生じる。 フレームワーク思考力のもう一つは、分解力。 物事をカテゴリに分けて枠を作り、その中にもれなくダブりなく細分化した事象をあてはめる。これによってボトルネックとなる事象を見つけ出すことができる。 ●抽象化思考力抽象化して考えることは、限られた知識の応用範囲を飛躍的に広げることになる。 数学や物理学などの自然科学分野に典型的な手法である。 「リンゴが木から落ちる」「ボールペンが机から落ちる」などの個別の事象を公式化して運動方程式という抽象化された数式にあてはめる。 例えば1冊本を読み終わった後に、「この本のメッセージは何か」ということを30秒で説明する、というのも単純化の練習になりうる。 抽象化のポイントは共通点を探すことにある。 事象を分解化できれば他の事象と共通することが見つかり、抽象化しやすくなる。 ビジネスにおいても一見全く関係ないように見えることを抽象化思考により共通点を見出すことで応用できることがある。 この本を読んで、まさに自分は地頭力が足りず、知識に頼るタイプの人間だなあと思った。 問題集とかすぐ答えを見て暗記しようとしてしまうし、会社でも深く考える力が足りないと当てはまることがあった。 「フェルミ推定」という手法を使って地頭力を鍛えることと、ビジネスへの応用も解説していて大変勉強になった。 地頭力を鍛える【電子書籍】[ 細谷功 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月08日 08時53分55秒
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