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カテゴリ:経済・金融
ざっくりと金融学の概要を学ぶのに良い本です。
ただし、後半の金融学のところはやや高度な内容になり、本書だけでは理解しきれなかったです。 文字通りざっくり概要を知るのには良いと思います。 1章見開き2ページで右側には図解してあって、読みやすいです。 貨幣の成り立ちからはじまって、銀行の役割、市場ポートフォリオ、株価、債券、インフレ、金融危機の仕組みまで書いてあります。 以下、メモ書きです。 ●貨幣の始まり 貨幣は紀元前670年頃、アナトリア半島のリディア王国の砂金からなるエレクトロンが最初 ●貸し借りの重要性 借金の支払い利子よりも投資による経済効果が大きい場合、借金をして必要な経済活動を維持し、将来少しずつ返済していくべき ●ヘッジファンドとは 発行市場(新しく株や債券を発行する市場)において、特定のプロ投資家から私募で資金調達した投資信託 ●自己資本比率規制 国際的なBISによる自己資本規制・・・銀行の自己資本比率が8%以上でなければならない ●モラルハザード 例えば銀行が倒産した時に1000万円までしか保証されないが、それはモラルハザードを防ぐため。 保証上限を撤廃してしまうと、銀行に低い金利でも預金が大量に集まる。 銀行は大量に現金があるから、低い金利でリスクの高い投資に走ってしまう可能性がある。 ●将来の株価変動は予想不能 株価に業績や配当等に関する全ての情報が各時点で織り込まれている時、市場が効率的であるという。 この時、将来の株価を予測する材料が何もなくなるから、株価の変化は予測不能となる。 ●オプション 3ヶ月以内に1ドルを決まった行使価格(例えば110円)で売る権利 3ヶ月後に110円より円高になれば権利行使するが、110円より円安ならオプションは行使せず現在レートでドルを円に変換する。 この時は最初に支払ったオプション料(オプション・プレミアム)の分が損失になる。 ●ユーロ危機 2010年ギリシャの財政危機を発端としてユーロ危機が起こった。 ギリシャは他の国に遅れて2004年にユーロに加盟した。 ユーロの採用条件の1つは財政赤字GDP比が3%以内だった。 しかし、実は12.5%であることが2009ー2010年に発覚し、ギリシャ国債が暴落。 やはり大幅な財政赤字や大量国債発行残高を抱えていたスペイン、イタリア、ポルトガルなどの国債売りに波及して欧州経済は苦境に陥った。 金融学は、経済の中でも最も理論が発達している分野である。 実際、本書でも数式が数多く出てきている。 理論的である一方、市場経済は人の不安や期待といった感情で動く側面があり、奥が深いと思いました。 大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる【電子書籍】[ 植田 和男 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月09日 07時59分55秒
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