カテゴリ:読書のココロ(小説)
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 都庁の前でばったりあった父娘とクリームパン、 深夜にボーイフレンドのグチを訴えつつかぶりつく稲荷寿司、 人生への不安に目覚める女子高生とソフトクリーム。 4時という不確かな時間で切り取られた、昭和の東京。 父娘、母娘、女同士、女と男の何気ない日常の、絶妙な会話の応酬。 実兄・鈴木雅也のオヤツ写真を添えた、杉浦日向子の小説世界の結実33編。 荒木経惟の恋写真を添えて。 【目次】 その1(柳屋のたい焼き/梅むらの豆かん/新宿中村屋のクリームパン/ 日東屋のアイス最中/井の頭の糸切りだんご/浪花家総本店のかき氷/ 地蔵通りの大学芋/米久の稲荷寿司/うさぎやのどら焼き/ チョウシ屋のコロッケ/福助の茹で小豆/清正の酒饅頭)/ その2(榮喜堂のシベリア/味好堂のせんべい/長命寺の桜もち/ 三越のソフトクリーム/フレッシュマンベーカリーのカレーパン/ 船橋屋本店のくず餅/やおきんのふ菓子/とらや かねこの焼き団子/ 赤坂砂場の卵焼き)/ その3(山田屋まんじゅう/ゴンドラのサバラン/志満ん草餅/ デメルのザッハトルテ/川端道喜のちまき/エス・ワイルのカフェ・ルーロー/ 二葉家の佃もち/しろたえのデリス・パンプキン/ 仙台・賣茶翁のみち乃くせんべい/ルコントのポンム・ド・テール/ 小布施堂の栗鹿ノ子/上野風月堂の東京カステラ) 以前読んだ『ごくらくちんみ』同様 目次だけでお腹がすく本(笑) とりたてて、どこがどうとか 「面白い! お薦め!」というのでもないのだけれど 【蔵出し】のとっておきの、33の掌編は 本書の中であくまでも脇役として取り上げられている老舗のオヤツのように ほんのりと上品で、心がほんのりと温かくなる。 なんとなく何か食べたいのは、空腹だからじゃない。 ほんの少し、物足りないのは、たぶん、キモチ。 そんな、ほんの少しの、心の隙間を埋めてくれるような 舌にも胸にもやさしい、やさしい お話の数々。 まるで杉浦さんのお人柄、そのもののよう。 各オヤツは写真付きで それそのものもさることながら 器や、お菓子を持つ手が、愛おしくうつくしい。 素敵な器、あたたかい手、 その時の雰囲気、窓からの景色・・・ いっしょに食べる誰かがいたり、 それを好きだといっていた誰かのことを思い浮かべると オヤツはもっとおいしくなる。 それはきっと 彼(彼女)の「おいしい」と、私の「おいしい」が かけあわされるから。 愛おしさも優しさもかけあわされて ちいさなちいさな物語は もっともっと おいしくなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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たいやきのお話、いい話でしたよ^^
写真も美味しそうでした。 近いお店ってなかなか買いにいかないですよね~。 ウチの近くにも有名なコロッケとケーキのお店があるんだけどなあ ^^;) (2009.09.10 11:38:48) |
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