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札幌に住んでいる従姉の子が、二十数年ぶりに訪ねて来た。 父柳居の一番上の姉の息子 柳居子より年嵩、一世代上伯父に当たる柳居子が、いとこの子より年下 おじさんはそぐわないので、呼びかけは名前を使う。寛君 彼はいつも突然やって来て柳居子を戸惑わせる。 九月に老人の日が国民の休日に制定された年 休みの前日の夕方やって来て、一寸頼みがあると切り出された。『明日 結婚式を挙げるのだが、披露宴の司会をやってくれ』と言われた 『ピンチヒッターか?』と尋ねると 『ずっと前からあんたにやってもらう心算だった』と答えた時は、しげしげと顔を見入った。結局引き受けたが、参加者名簿も揃わぬぶっつけ本番の披露宴の司会は後にも先にも一度きり 経験した人も少ないのではなかろうか。 久し振り ふらりとやって来た彼は少々細くなって、髪の毛が異状に少なくなっていた。五年前に癌を発症して一度は収まったがぶり返して抗がん剤の副作用で毛が抜けてきて、もうじき死にますのや」と白く。何種類目かの抗がん剤の投与の治療中 急に言い出す事が 何時も大きい話ばかり 『医者の診たては如何言ってるの ?』と尋ねると『抗がん剤の結果次第』 これからが柳居子と彼との実務会話 『息子が一人居たなぁ』『今 アメリカの大学で研究生活をしている ドバイのさる富豪の息子と仲良くなり 学資や必要経費を出すから一緒に研究生活を続けようと言われている』『息子は心配ないな』『嫁ハンは ?』『80キロ近く有った体重が54キロになった時 覚悟を決めた様だった 60キロまで戻って喜んでくれている』『嫁ハンも先ず心配なさそうや』『母親は健在か ?』『九十二歳でデイケアサービスを受けて 近くに住む本人の妹夫婦に助けられて一人で頑張っている』『どんな事があっても母親より先に逝くなよ』 昔 何処かの誰かの通夜の席で 回向の僧侶が突然 『親に先立つ不孝もの』 と一喝したのがトラウマの様に蘇る あれは死者に言い聞かせたのでは無く 多分回りに居るものに垂れた言葉だと理解している。柳居子の間尺に合わぬ訪問者 昨日一人あり
柳居子花徒然 アランダ (グリーンタイガー) う お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.22 08:33:07
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