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毎朝五十数年 休むことなく出掛ける珈琲屋は、常連客用の席を二ヵ所特別に準備して呉れている。観光客が表に列為す状態でも、店側は常連席へは案内しない。しかし観光シーズンで、特に日曜日等は 常連客の出足が遅く 柳居子一人が、席を占める様な状態になるから、ウェイトレスに『観光のお客さんにもこの席座って貰い。』と言って座らせる。テーブルの色も違い 客の方も特別常連さんの席と心得ているかの様に躊躇いながら座る。
遅れてやって来た常連客仲間とは、実に色々な話題が出る。何十年も朝の一刻珈琲を一緒に飲むと言うだけの交わり 利害関係が殆ど無いからお互いが好きな事を言いあっている。そして頃合い見計らって 同じ席に座った観光客を話題の中に誘い込む。まさか京都の地の人と珈琲カップ挟んで会話が出来るとは思っても居なかったから 喜んで卓話に参加と言う事になる。 『皆さんは親しいお友達同士ですか?』と聞かれ『同じ時間帯一緒にコーヒーを飲むというだけの関係ですよ。』肩書や名刺すら一切通用しないフリーランスな世界 皆 其々が此処を朝の居場所と定めているひとばかりですよ。』と、言うと 我々会話を聞いていた人が『何とも贅沢な時間が流れるのですね 京都の町は。』と言われた。 数多全国にはコーヒー店は有る。しかし 客同士がホスト・ホステスの役割機能する店はそう多くは無いだろう。 来店歴の古さ長さを以って、柳居子を(主)と言う人も居るのだが、観光客以外 暖簾を潜って店に入ってくる客は 皆 柳居子と眼が合うと挨拶・会釈をしてくれる。誰彼なく毎朝お眼に掛るのだから、門番守衛が役どころだと言っている。 昨朝は久し振りに京舞 篠塚流の家元 篠塚瑞穂さんがやって来た。大勢の空席待ちの観光のお客さん飛び越して座ってもよろしいでしょうかと言うから 常連さんの親しいお連れさんは常連客に準じるとか 勝手な理屈付けて柳居子の隣りに座らせた。門番・守衛の役 いつまで続けられるだろうか?。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.09.09 06:10:20
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