{思考と直覚」人間の霊魂を思考/神秘主義24
アートマンとは最も内側 (Inner most)を語彙とします。古代インド・アーリア語に属し、インドを中心として文明伝搬により南アジアおよび東南アジアにおいても用いられた古代語サンスクリット語の Atma(アートマ)を語源としており、アートマンとは(Ātman)とは、古代インドのバラモン教の聖典ヴェーダ使われる用語で、意識の最も深い内側にある個の根源を意味し「真我」とも訳される「個体の本質」を示すインド哲学の術語です。「我(が)」と訳されるように元来「気息」を意味したが、転じて生気・身体・さらには己自身の意味になり,哲学的概念としては自我・自己・霊魂・さらには「本体」「万物に内在する霊妙な力」を意味しています。ウパニシャッドではアートマンは不滅で、離脱後、各母体に入り、心臓に宿るとされます。片や「ブラフマン」は神聖な知性として見做されており、宇宙の最高原理を示すインド哲学の術語です。漢語では「梵(ぼん)」と訳され、宇宙の根本原理であるブラフマン(brahman/梵)はアートマンが知るものと知られるものの二元性を越えているので宇宙の根源原理であるブラフマンと同一であるとされる(梵我一如)の思考が産み出されます。其れ故にアートマンは不滅で、離脱後にブラフマンに帰すということに成ります。然れども、シッダルタの悟道後に尊称を得た釈尊は「無我」の道を説くため「我」優先するを批判的に捉えています。
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