|
カテゴリ:映画
何かねえ、今更ながら、戦争映画大作を見てみたいと思うのだ。2月の「戦略大作戦」もそうだったけど、その5年前に公開された「バルジ大作戦」'65も、かつてテレビの短縮版は見たけれど、167分の完全版は見てないのではないかと。CSムービープラスで追いかけ録画視聴。
この映画で何と言っても記憶に残るのは、“戦車の歌”、“パンツァー・リート”が歌われる場面だ。ロバート・ショウ扮するヘスラー大佐が、戦車隊の兵隊は子供ばかりじゃないかと苦言を程する場面で、その兵隊たちが気概を示そうと歌いだす。日本軍もそうだけど、こういう気合だけで無謀な戦いに流れていってしまうのだね。 一方で、米軍の中佐のヘンリー・フォンダはどこまでも冷静だ。生粋の軍人ではなく刑事出身だが、疑う商売を20年続けてきたことが、戦場でも何かと適切な判断につながる。彼の敵の動きを読む判断は、次第に将校たちにも認められていく。 戦局的には、もうドイツは後が無く、降伏間近と思われていた。独軍側でも厭戦傾向はあって、戦闘継続には懐疑的な声も公に語られていた。ここらは、米独共に正直だね。米軍側もチャールズ・ブロンソン率いる小隊はたるみ切っているし、戦車隊軍曹のテリー・サヴァラスは物資調達でひと財産残すことを考えている。そのブロンソンは捕虜になるが、独軍の米兵虐殺を非難し、捕虜の権利を主張してショウと対決。一方、サヴァラスは、仏人女性とのちょっとしたロマンスがあったりする、あの顔と頭で(爆)。 ショウはイギリス人なのに、「ロシアより愛をこめて」ではロシア人、ここではドイツ軍人と、悪役的キャラ故なのか、他国の人物を演じることが続いていた。とにかく、軍服を着続けることが生き甲斐で、勝敗はどうあれ戦闘が続くことを望む。それを知った世話役が呆れて離れていく。軍人や役人、政治家は、いつの世も一般市民のことなど顧みないのだ。そういう意味では、この映画もそこそこ考えられて作られている1作という印象だ。 フォンダの献身が戦いを勝利に導く。市井の人物が、頭の固い軍人たちを凌いで貢献を果たす形。戦闘場面の迫力も勿論だし、ハリウッドの戦争映画の範疇で考えれば、よく出来た1作と言えるのではないか。「史上最大の作戦」の主要部分も手がけたケン・アナキン監督、スカイウォーカーの名前の由来はこの人だったんだね、今更ながら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月13日 09時16分02秒
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|
|