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カテゴリ:芸能
さて、ツアーの始まり。那覇空港から座席の狭いピーチエア便で、まずは大阪に向かう。パフュームの大阪ドーム公演を見て以来4年ぶりだが、今回の滞在は8時間程度となる。かなり久々の関西国際空港、鉄道に乗るにはターミナル間を移動せねばならないが、異様に広いね、米軍基地かと思ったわ(爆)。急ぎJR線だが、以前持っていたピタパカードはもう解約してしまい、スイカで改札には入れた。でも、オートチャージにはならんのね・・・
関空快速で向かうは、前回降りた大正でも無ければ、いつもの新今宮でもない。大阪駅で降りて、相変わらずわかりづらい地下を歩いて、見つけた551蓬莱の売店。みな保冷袋持参でチルド製品を買っていく。僕は持ってないけど、まあ、明日(しかも夕食用)までは大丈夫じゃない?そして、大好きな新梅田食道街へ。前回は食べられなかった串かつを!松葉総本店、17時台なのに混んでいる。黒生で紅生姜だの若鶏だの6本くらいをバクバクっと食べて滞在20分弱で店を出る。これで充分、して、歩いて中之島方面へ向かう。 ![]() 19時開演、まずまずの入りかな。席は前から13列目で、これは遅めに取った割に前回よりも前の席だ。まずは、過去の名場面を回顧する映像が流れ記念公演であることが謳われる。女性独唱で始まりフルートが引き継ぐ。今回もバックの演奏陣はミニマムな態勢だ。ナレーションは英語で日本語訳等は出ない。まあ、出なくても充分楽しめるのだけど、物語の理解のためにはあった方が望ましくはある、今回はパンフの発売もないようだし。演奏のテンポが上がって、パーカッション、フィドルが加わり、ダンサーたちがワラワラと舞台上に。男女総勢17人かな。演奏陣はミニマムでも、やはりこの人数のダンサーが一斉にステップを踏み始めると、さすがの迫力で早くも圧倒される。ああ、かつてのあの感覚が蘇り鳥肌が立ってくる。 そして、プリンシパル登場、今回は、アナ・メイ・フィッツパトリック、こちらは如何にもアイリッシュな名前だけど、もう一人がブランドン・アサザワ、おお日系かい!前回の公演時に、ダンサーの一人に現地採用された日本人も参加していたけど、今回はとうとう日系のプリンシパルか。どういう出自の人なのか、取材記事とかどこかにあったらいいな。背はあまり高くなく顔立ちは東南アジア系の感じだったけど、アサザワさんのステップは、過去のプリンシパルたちにも全く引けを取らない素晴らしいもの。相変わらずアドレナリン全開のオープニングだ。 そして、タップシューズではなくトゥシューズで女性陣が幻想的に舞う“カウンテス・キャスリーン”、そこに太鼓の男性陣とダンサーが加わって再び圧巻の揃い踏みステップ。先のフルート奏者はイーリアンパイプを演奏、続いては彼による独奏。初代は名手デイヴィ・スピレーンの担当だった、あのインストナンバーね。こういう独奏が随所に挟まれるのはダンサーたちの着替え時間確保の意味もあるわけだけど、派手なダンスを披露するだけのショーではなく、アイルランドの伝統文化(それ以外の要素も色々あるけど)を遍く伝えようと言う意図も、しっかり感じられる演目になっているのだ。 続いて、最も男っぽい演目というか、演奏は無しでステップ音だけで見せる聞かせる”サンダーストーム”になるが、以前よりもマッチョさが薄れている感じ?そして、“ファイアダンス”でフラメンコダンサーが登場する構成も変わってないな。ここらのソロが何という人の担当なのか、今回は情報が無いのが玉に瑕。その後の、月夜をバックに上半身裸のアサザワさんとフィッツパトリックが、合唱とパーカッションをバックに舞う”シヴナ”という演目は、僕は初めて見るような気がする。最も現代ダンス風の演目という感じで、二人のプリンシパルの技が存分に発揮される見せ場でもある。 “スリップ・イントゥ・スプリング”は再びバンドの演奏パート。以前はフィドルもツインだった印象だけど、女性クラリネット奏者とパーカッションでソロを披露。初代プリンシパル、マイケル・フラートリーが立ち上げた「ロード・オブ・ザ・ダンス」は、この辺をかなり派手に見せていた印象だけど、こちらは嫌味にならぬ程度の熱演で。何かでも、もう一人ギター奏者がいたらいいなって思えるのだけど。 そして、中締めの“リヴァーダンス”。初演で合唱を務めていたアヌーナは年末のケルクリで来日するね。とまれ、太鼓陣も加わり、プリンシパルのソロもたっぷり披露され、最後は勢揃いで一糸乱れぬパフォーマンスが繰り広げられる。すでに随所ではあったけど、もうここで感動の涙が止まらなくなる。やはり、こういう生のステージは、何物にも変え難いものがあるな。もうコロナも過去の話のようになりつつあるけれど、こういうものをしょっちゅう見ることが出来ていた、コロナ前、そして円安前の時代はどんなに豊かであったことか。いや、まだ半分、20分の休憩を挟んで後半に続きます。 ホール内でのアルコール販売はないとかいう話だったので、開演前に同じ建物内のハブでギネスのハーフパイントを一杯引っ掛けてきたのだけど、ギネスはないけれどホールの売店でもビールやワインはあった。というわけで、開演前に赤ワイン、休憩中に白ワインで、しっかり出来上がる。後半は、“リフト・ザ・ウイング”のイントロから“ハーベスト”、片田舎の村人が賑やかに舞い踊るほっこり場面。そして、“リフト”の独唱。船旅から帰った男たちと女たちが束の間の再会を喜び合うという設定か。 そして、ここからは世界のダンス見本市的な内容に。“トレーディング・タップ”は、NYブルックリンを舞台に黒人二人が華麗にタップを踏む。そこに現れる3人のアイリッシュ、最初は対立するようで「ウエストサイド物語」風だが、次第にお互いの技を認め合っての競演に。以前は、上半身固定のケリーダンスを黒人側が揶揄するような箇所があったと思うけど、今回はなかった。ここは本筋以外の場面では最も盛り上がるパートと言える。しかし、今日日なのだから、「リヴァーダンス」もヒップホップ要素を加えてもいいのではないかななんて思った。 今日日“ラシアン・ダーヴィッシュ”はひょっとしたらオミット?なんて思ったけど、しっかり残っていた。ここのアクロバティックなダンスも見事だからね、やっぱり、欠かせない。毎回思うけど、ここでのダンサーは、アイリッシュ陣とはまた別なのか、彼らが兼ねているのか。フィナーレで別個に登場するところを見ると、別なのかな?とも思えるけど、先のタップの場面だけの黒人ダンサーといい、演奏陣はいくらかミニマムにしても、ダンサーズの数は減らすわけにはいかない。そうすると、ショーそのものの醍醐味が失われてしまうだろうから。 そして、勿論、フラメンコも。これはソロの見せ場なので名手でないと務まらない。“アンダルシア”で再びの見せ場がある。でも、やっぱり、フラメンコも弾きこなせるようなギタリストが一人欲しいな。次は闇夜に浮かぶアンコールワットの彫像のようなのをバックに独唱からスタート、そして、フィッツパトリックと女性ダンサーたちが登場して、囁きのような歌唱とパーカッションをバックにステップを踏む。これが近年追加された新パート、“アンナ・リヴィア”のようだ。ジェームズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」の一節から取られた女性讃歌で、前半の“サンダーストーム”と対をなす構成とのこと。この辺、歴史を重ね時代と共に練られてきている印象。そう、女性ダンサーの見せ場が以前よりも増えているのだ。 フィドル・ソロからのトラディショナル演奏でショーも終盤だ。パーカッション奏者はバウロン技を聞かせ観客の手拍子を誘う。この辺の演奏パートでも、しっかり観客をのせて魅了するあたりはさすがだ。そして、僕が持っているような初期のサントラ盤には、なぜか収録されていない“ハートランド”がゆったりと歌われて、いよいよフィナーレへと入っていく(曲目も結構変わっているので最近のサントラ盤を買わないとと思う)。 ただ、いつもながら思うのだけど、フィナーレって案外短めな感じがするのだ。あのダンスは、ここまでにさんざん見せてきているから抑えめ?なのかも知れないけれど、おさらいとばかりに速射砲ステップや集団ステップをガンガンつるべ打ちでいいのではと。あれ、これで終わり?って思えちゃうんだよな。本来はここでスタンディング・オベーションのタイミングだと思うけど、何となく逃してしまうのも、そのためかなと。 結局、カーテンコールでも観客が座ったままの状態が続いて、おいおい、立たないと何でしょーとハラハラする。いや、観客は自分も含め、大いに堪能し魅了されたのは間違いないのだけど、何となく日本人のショー見物の不慣れさがここでも?カーテンコールももう1回くらいあるかなと思えたけど、あっさりと“本日は終演”アナウンス。ショーそのものは文句なく素晴らしかったけれども。僕なんか4分の3くらいは泣いてたからね(笑)。 改めて25〜30年続いているショーのクオリティの高さに感心し、かつ、コロナ以降、現在に至るまでライヴはご無沙汰気味な上に、こういう舞台実演ものは、ただでさえ久しく見る機会がなかった。ホールではリピーターチケットというのが売られていて、少し割引になったのかな?大阪にいるなら明日もまた見に来たかったくらい。昨日が初日で土日まであと4回公演があるわけだ。因みに、東京公演では別のプリンシパルだったらしい。演者も含めた、この辺の詳しい情報が上がっていないか探してみないとな。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月28日 09時37分48秒
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