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ボランティア先はロンドン、東地区。いわゆる、イーストエンダーってやつだ。ロンドンビクトリア駅で同僚件フラットメイトともなる、エリザベス(リズ)とご対面。ちょっとナーバス気味な私に、リズの一言。「NOT TOO BAD、MATE」
リズは、ウエールズ人。日本人は、イギリス=イングランド=イギリス人 という勝手な行程式が出来てしまうが、実際は、イギリス=UK=イングランド+スコットランド+ウエールズ+北アイルランド したがって、イングランド人(イングリッシュ)、スコットランド人(スコティッシュ)、ウエールズ人(ウェリッシュ)、アイルランド人(アイリッシュ)のスーパー共同体なのだ。しかも、長年の歴史的対立も尾を引き、イングランド人以外は、ひどく”イングリッシュ”と呼ばれることを嫌い、みな、”私はスコティッシュ、NOTイングリッシュ!”などと、自国にものすごい誇りを持っている。ちなみに1国であるはずの今でも、サッカーのワールドカップなどでは、上記4国が別々にエントリーしてしまう仲の悪さだ。 前置きが本題みたいに長くなってしまったが、ウエールズ人のリズに戻ろう。リズは、まさに、”ティーンエージャー”と言う感じ、いや、詳しく言えば、パンク系とヤンキー系を足して2で割ってジプシーを2乗した感じ。…顔中ピアスだらけ(舌までピアス!)+パンダメーキャップそして、ジプシーのような服装。まさに、イギリスの今時のティーンエージャーだ。 しかし、頼みの綱は、彼女。まるで、田舎から上京してきた田舎っぺのような気分で、すがるような思いで彼女について行った。 さて、ボランティアの内容も田舎っぺ気分の私にはかなり過酷なものだった。”ホームレスの子供達の援助”である。しかも子供達といっても、血気盛んな16歳から25歳までの若者。そして、彼らと同じ階のフラットに住み、彼らの生活を24時間に渡って監視する、というとんでもないプロジェクトだ。 まだ、イギリス生活2ヶ月弱だった私は、語学力もイマイチ、イマニ状態で、そんな責任重大な任務を果たして遂行できるのだろうかとまさに、ビッグマックに挟まっているハンバーグのように、不安で押しつぶされそうになっていた。 そのプロジェクトの私の責任下のテナント(居住者=子供達)は6人。それぞれ2人ずつ一つのフラットをシェアしており、黒人から白人、中国人と様々で、しかも、捨て子、親との絶縁状態の子供から、政治難民で国を追われてきた子などまさにバラエティーに富むメンバーだった。 そう、そして、その中国からの亡命者、セイが私の人生を根底から覆してしまう運命の人だったのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003.07.29 01:48:36
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