しなもんブログ

関口ユカ氏主演・監督の映画　「THE　ダイエット」を渋谷アップリンクで見てきました。
感想。これは、なかなかの名作だと思います。
自称デブ暦５０年。
なぜ太っているのか、なぜやせられないのか、本人はジムや美容整形や精神科のドクターたちに次々にカウンセリングを受けていきます。

子どものころから太っていたわけ、結婚していたとき急激に太り始めたわけ、食べ始めたら止まらないわけ。
「夫との関係のやりきれなさをひと時忘れるため、真夜中にピザを取る」「食べ続けることで、糖尿病なのに美食を続けるお父さんを救えなかった自分を罰する」など、どれも深層心理の中での必然だったことが分かってきます。

笑えるドキュメンタリーの形をとりつつも、夫婦や親子関係の葛藤が、自分ではコントロールできない脳の指令となって本人を苦しめていたこと、また、オーストラリアという異国の地で、うまくなじんでいかなくてはという無意識が過剰適応を引き起こしていたことを、際立たせていきます。

こう書き連ねると一見つらそうですが、映像は底抜けに明るく、希望を感じさせます。

関口監督の優しさ、強さがスクリーンから伝わってくるような。
出身が横浜ということで、帰国後は何でも言い合える、いい友人になれそうな気さえします。

渋谷アップリンクは、ミニスクリーンもここまで！という、まるでライブハウスのような不思議な映画館でした。これが渋谷カルチャーというものなのか？

とにかくマニアで良質な一本でした。

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