カテゴリ:シェフの雑記帳
まずは前菜、Magret de Canard fume avec Salade tiede aux champignons du Japon ラングドック産マグレ鴨のスモーク生ハム仕立て、和キノコの温かいサラダ添えです。
マグレ鴨はフォアグラをとるために肥育した鴨です。そのためにおいしい脂がのっています。このラングドック地方産の鴨は地元産のトウモロコシだけを餌とするように法律で義務付けられているんです。その肉をチェルビア産の塩で軽く塩漬けにしてから冷燻にかけたスモーク生ハムです。赤身の旨味とスーッと解ける脂が美味いですよ!サラダの上には舞茸、椎茸、エリンギに刷毛で軽くガーリックオリーヴオイルを塗ってからグリラーでさっと焼いたキノコを載せてあります。皿が目の前に置かれるとまず焼き立てのキノコの香りが立ちますね。秋らしい気分になりますね。合わせるワインは、、今回ももちろん相川さんのワインです。 Corbieres Le Blanc de l‘Œuf MAS DES CAPRICES マス・デ・カプリス コルビエール ブラン・ド・ルッフ 2014 ボトル¥6800 グラス(125cc)¥1140 グラス(100cc)¥920 グラス(60cc)\550 ブラン・ド・ルッフとは、卵の白ワインという意味になります。最近、ワインの発酵に卵型のコンクリート製タンクを使用するのがちょっとしたブームになっています。科学的に実証されたわけではないようですが、コンクリートのミネラル分がワインに溶け込むとか、タンクの底が丸いので沈んだ澱の旨味成分がワインに良く溶け込むなどの効果があるといわれています。 グルナッシュブラン、マカブー、ミュスカの3種類のブドウで、甘い香りながら味わいは辛口でしっかりとしたボディーがあります。鴨と同じラングドック地方のワインですから、相性が良いですね。 グラスワインは、あまり飲めない方に60ccの少な目サイズもあります。普段お酒類はほとんど飲まないという方でも、サンク・オ・ピエで季節のコースを食べるときだけは少しワインを飲むという方がいらっしゃいます。 卵型コンクリートタンクに興味がある方は以下のリンクを参照ください。 リンク1 リンク2 続いて、Foie gras chaud et Cepes gout verite monsieur Alain Chapel〝アラン・シャペル氏の真実の味〟フォアグラとセープ茸(ポルチーニ)です。 アラン・シャペルは、20世紀最高と謳われた天才シェフです。彼が「フォアグラとセープ茸は真実の味わい」と讃えたと、先日亡くなったやはり天才シェフのジョエル・ロブションが著書の中で記しています。確かにこれは美味いですね!秋には絶対食べておきたい料理です。合わせるワインは、、 Pinot Noir Marius Domaine Vincent Fleith ドメーヌ・ヴァンサン・フライト ピノ・ノワール マリウス 2005 ボトル¥6800 グラス(100cc)¥920 グラス(60cc)¥550 2005年の古酒です。紅茶のような色合いで、干しブドウや甘草のような香りに混じって湿った黒土のようなニュアンスもあります。酸味も穏やかでポルチーニの香りや旨味に良く合いますね。 フォアグラには白ワインを合わせることが多いのですが、ポルチーニの時は熟成赤ワインの出番ですね!ピノ・ノワール100%です。 Potage , Creme de Saumon d'Automne 秋鮭のポタージュ仕立てです。 秋鮭は一塩当てて水分と臭みを抜きます。玉ねぎのスライスをバターで炒めニンニクも少しだけ加えます。そこに秋鮭を加えて潰すように炒めます。しっかりと火が通って鮭がつぶれたら、ジャガイモと薄めのチキンブイヨンを加えて15分ほど煮てからミキサーで滑らかにしてシノワで濾します。牛乳少しで伸ばし、仕上げにバターを少し。ポタージュというと野菜物が多いですが、こうして鮭で作ってみると改めて動物質の美味さに作った本人もちょっとびっくりするほどでした。もう、すごくワインが飲みたくなる味です。(笑)スペイン産のスモークをかけたピメントン(パプリカの粉)を少し振ってあります。まあ、考えてみれば、塩鮭とか代表的ご飯のおかずですからね、、主役級の食材をつぶして液化してしまうのですから美味いわけですね。合わせるワインは、、 Coteaux du Languedoc Prose Rose Domaine de la Prose ドメーヌ・ド・ラ・プローズ コトー・ドゥ・ラングドック プローズ ロゼ 2014 ボトル¥4200 グラス(125cc) \700 グラス(100cc)¥560 グラス(60cc)\350 サンソーとグルナッシュで作られた淡い色合いの爽やかなロゼです。赤い果物の香りで軽やかで切れの良い酸味が、旨味たっぷりの秋鮭のポタージュにマリアージュします。 Cuisse de Pintade poelee avec Risotte aux duxelles de champignons フランス産ホロホロ鳥のモモ肉のポワレ、香り炸裂!キノコのデュクセル風味のリゾット添え、メインです。 生の肉の画像もご覧ください。鶏肉より赤身があって脂肪は少なめです。旨味が強いですね。それから骨が固いです。鶏の骨がアルミくらいだとすると、ホロホロ鳥は銅くらいかな?野生の雉だと鋼鉄みたいです。(あくまでたとえ話ですが、、)ホロホロ鳥は皮をパリッと身のほうは余熱を使ってしっとりと焼き上げます。リゾットはキノコのデュクセルとドライポルチ-ニの粉も入れてあります。デュクセルというのはキノコ(マッシュルーム、舞茸、椎茸、シメジ)を微塵切りにして3時間ほど弱火で炒めて水分を飛ばして味を凝縮させたものです。そのため、このリゾットは米よりキノコのほうが多いくらいになっています。まあ、究極的キノコ飯ですね!合わせるワインは、、 Saint-Aubin 1er Cru Les Castets Domaine Billard ドメーヌ・ビアー サントーバン 1級 レ・カステ 2010 ボトル¥7700 グラス(125cc) \1290 グラス(100cc)¥1050 グラス(60cc)\650 2010年の熟成酒です。落ち着いた果実味がややドライフルーツ的で雨上がりの森の黒土のようなニュアンスも感じます。キノコのリゾットとホロホロ鳥には良く合いますね。 ブルゴーニュの1級畑にしてはコストパフォーマンスが高いと思います。 Gateau aux chataignes , amandes et noisettes Glace au cafe ECRU et marrons Pave de chocolat au cointereau 山栗粉、アーモンド粉、ヘーゼルナッツのケーキ さかもとこーひーのカフェ・エクルと栗のアイスクリーム 生チョコパヴェ、コアントロー風味 デザートです。 ケーキは、ローマ法王献上品のマレルバという山栗の粉とアーモンド粉を半々でキャトル・カール的な生地を作り、焼いて砕いたヘーゼルナッツも混ぜて、真ん中にラム酒を利かせたマロンペーストを和菓子の栗餡風に挟んで焼き上げてあります。 アイスクリームはさかもとこーひーのラテの素カフェエクルを使ったアイスクリームに焼いて砕いた栗を混ぜてあります。 生チョコはベルギーのカレボーのビターチョコをベースにオレンジリキュールのコアントローを利かせたものです。 全体的に茶色で秋のイメージ、古庵とr-やあむしゅがしっかり利いていて大人の味わいです。特にケーキはマダムに試食させたら、目をむいて美味しー!と言ってましたよ。 ローマ法王献上品のマレルバの栗の粉。ちょいとふざけたデザインですが、、香りと味は良いです。 アイスクリームに混ぜた焼き栗。これもフランス産の山栗です。 そして、もちろんデザートにはさかもとこーひーによる秋のコース専用ブレンドですよ! グアテマラ・サンタクララ、深煎りブラジル、マンデリンのブレンドです。クリやナッツ、そしてチョコレートにコアントローとどれにもばっちりよく合います。こーひーが冷めてくると香りや味わいの複雑さが出てきて食後が一層楽しくなるワインのようなこーひーです。 サンク・オ・ピエ、秋のコースはご予約限定メニューです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 24, 2018 02:27:53 PM
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