読んだ本。『イン・ザ・メガチャーチ』
『イン・ザ・メガチャーチ』 朝井リョウさん イン・ザ・メガチャーチ [ 朝井リョウ ]内容紹介(JPROより)沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰するーー。あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側ーー世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」「推し活」がテーマだと聞いて読んでみたくなった本なのですが、生温い内容ではなかったですね。ビジネスとして仕掛ける側のえげつなさには引いたし、搾取されているとわかった上で踊るファンの楽しさと苦しさ、そして危うさ。色々と考えさせられました。印象的だったのは最後の方、仕掛ける側で、冷静で淡々としている国見さんが、やり方を間違えた久保田さんに「視野を狭めるのって、やっぱり楽しかったですか」と訊いたところ。熱狂できない人にはできない人なりの「間違いへの憧れ」があるのかもしれないと、そこで初めて国見さんに人間らしさを感じました(それまではひたすら怖かった)。同じく国見さんが言っていた「(ファンから絞り取るのではなく)自分自身を使い切らせてあげているんです」という言葉も印象的で。たとえるなら、自分が死ぬ時になって「燃え尽きるほど何かに熱中したり、心を埋め尽くすほどの思い出を作っておけば良かった」と後悔しない人生=「使い切った人生」なのかなと思いました。善意や優しさから出た言葉ではないんだろうけど。一番良いのは、「メガチャーチ」が今のような搾取システムではなく、クリーンな形で作用すること。でも来るのかな、そんな時代・・・。人間が人間である限り、無理な気がする(人は欲深い生き物だから)。