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留年候補生W2.0の部屋 

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2005年07月02日
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カテゴリ:日記オンリー
これの前の日記には書かなかったが、下北沢で『ロックな詩人』と自らを呼ぶ人物に会った。

場所は東洋百貨店入り口。

私はタバコを吸うためにその店を出た。

店の入り口では、作品らしい色紙が並んでいる。

“大阪から旅しています”といったことがその前に書いてある。

20代の青年が何かを書いている。

もしかしたら、同い年ぐらいかもしれない。

彼が『ロックな詩人』と称する人物である。

詩人さんと2人の女の子が話している。

どうやらお客さんのようだ。

その人の名前を詩の一部に入れて書いているようだ。

値段はお客自身が決めるらしい。

つまり詩にどれだけ感動したかによって決めるということだ。

私はテレビでこういうことをやっている人がいるということは知っていたが、実際に見たのは初めてである。


『私も書いてもらいたいな。なかなか機会があることでもないし。』

そう思った。

それに、時の感じがとても好きだったのだ。

『しかし、どれぐらいの金額を払えばいいのだろうか』

値段を決めるというのはとても難しい。

感動したからといっても、何万円もポンと払えるほど私は金持ちではない。

でも、お金がないからと言って、100円だけ払うというのも失礼極まりないと思う。

気持ちとお金は必ずしも、イコールでつなげないのだ。

前のお客さんは財布から、2千円を払っている。

(2人分払ったのか、それが1人分なのかは分からないが・・)

私は千円を基準にして、あとは作品見た後で考えようと決めた。

「書いてもらって良いですか?」と私。

「そこに、下の名前だけで良いので書いてくれますか」と詩人さん。

そこには、表の枠だけ書かれた紙が重ねてある。

『“○○(本名)”にしようか、“留年候補生”にしようか』と迷った。

『“留年候補生”と書くのは恥ずかしい』ということで、○○と書いた。

「さっきから、待っていてくれてたんですよね。こういうの好きなんですか?」と詩人さん。

「タバコ吸ってただけですよ。でも、見てたら気になっちゃいまして」と私。

○○という名前を見て、

「○○さんという名前の人けっこういるんですよね。○○ブームなのかな」

と詩人さんは紙をめくりながら、そう言った。

『確かに多いな○○。でもそんなに多い名前じゃないよな。○○という名前は詩を好む名前なのだろうか・・・』

そんなことを考えいている時、詩人さんは目を閉じて深く呼吸をしていた。

精神統一や瞑想といった雰囲気のものだ。

そして、筆を持って書き始めた。

朱色と黒の筆を使い書いては考えることを繰り返した。

朱色は名前の部分で、黒はその他の部分で書いていた。

その間、他に見ているお客さんにも値段の説明や待ち時間などもちゃっかり説明していた。

「東京の人なんですか?」と詩人さん。

「違いますよ。あ、今は東京に住んでますけど」と私。

「東京の街って楽しいですよね。」と詩人さん。

といった、他愛もない会話をしながら詩は完成した。


一人でいろいろ

考えて悩まないで

誰かに頼ってみよう

一人より二人、みんなで

考えた方が気持ちが

楽になるよ

注意:実物は名前のところが朱色で書かれています。


私は受け取って、ゆっくりその詩を眺めた。

「ごめんなさい。財布出すんでちょっと持っててもらえますか?」と私。

「どうでしたか?」と詩人さん。

「いいですね。とても嬉しいです」と私。

この時は自分がうまく感動を表す言葉と表情を持ち合わせてないことを、残念に思っていた。

『なんかもっと言葉があるだろう』と。

それに、どこか素直に感動していないような自分に嫌気が差していた。

「少なくてごめんなさい」と私は財布から千円札を出し、手渡した。

1500円は出そうと思っていたが、財布に細かいお金がなかった。

(今は2000円ぐらい出しておけば良かった、と思っている)


「出身はどこなんですか?」と詩人さん。

「長野県」

イントネーションの違いでうまく伝わらなかったようなので、

「長野」と私は繰り返した。

(東京では「長野」はたぶん“↑→→”。長野ではたぶん“→→↓”)

「大阪にも、時々そっちの方からの出身のヒトがいるんですけど、なんで、なんでしょうかね?自分は東京に出たいとずっと思ってましたけど・・。」

「絶対に東京の街のほうが、大阪より楽しいですよ」と詩人さん。

「そうなんですか。大阪に行ったことがないので比べようもないですが」

と私は中学の修学旅行で通過した『新大阪』の駅を思い浮かべて、答えた。

「別に来なくても良いですよ。東京の方がいいし。大阪ってのは街というよりヒトが楽しいですね」と詩人さん。

「へぇ~」と大阪のヒトをイメージしつつ、私は納得した気がする。


私は次のお客さんもいるので「ありがとうございます」と言って、できる限りの嬉しいという表情をして、その場を後にした。


詩を書いた色紙は汚れないように透明のビニールで包み、部屋に飾ってある。


そうそう、この『ロックな詩人』さんのHPは、ヤフーで“ロックな詩人”と検索すればすぐに見つかりますよ。

けっこういろいろなところで活動しているようです。





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最終更新日  2005年07月03日 18時54分36秒
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